「賢者は歴史から学び愚者は経験から学ぶ」という言葉について回答者様のお考えをお聞かせください。私は経験からの学びも価値があるもので、決して愚者ではないと思います。
ドイツの鉄血宰相と呼ばれたビスマルクの有名な格言ですね。
いろいろな解釈があるようですが、そもそも元のドイツ語の言葉では「歴史」とは言ってないようです。歴史とはつまり他の人の経験や知見ということなのでしょう。
自らの経験から学ぶことも多いはずですし、経験したからこそ次のステージが見えてくることもあります。決して経験からの学びを軽んじているわけではないでしょう。
ただ、自分の経験だけからものごとを判断するのでは学びの深さが浅くなる危険がありますし、なにより知見を増やしていくのにも時間がかかります。つまり、せっかく他の人の経験から学ぶべきことがあるのにそれを無視して自分の経験からくる学びのみに拘る姿勢を愚者と言っているのではないでしょうか。
ゴルフやスキーでも自己流でやっていては、長く続けていても上達しません。早い段階からコーチや上級者について基礎から学んだ方がレッスン時間やお金がかかってもその後の上達ぶりは違います。そうした他の人の学びの知見を活用させてもらった方が効率良いということでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長