新卒採用応募者の適性検査結果を見ていると、毎年似たタイプの学生ばかりです。特に不都合はありませんが、このまま似た人ばかりを採用し続けていてよいか不安になります。
似た人が集まることは必ずしも悪いことではありません。貴社の採用広報が適切に機能しているからかもしれません。貴社の発信している情報が特定の人材に対して応募の誘因となっているとしたら、このことを活用しない手はありません。
多く集まっている似たタイプの学生が貴社の求める人材要件に合致しているのであれば、採用広報の成功です。一方、この似たタイプの学生が貴社の求める人材要件に合致していないのであれば、誤った情報発信をしていることになります。特に不都合はないとおっしゃっていますので、前者であろうと推察しますが、この点については検証が必要です。
採用する人の多くが同一の職務に従事する場合、似た人を集め採用することにはメリットがあります。例えば採用する人の大半を営業職に配属する場合、営業に向いている人を多く集め、その中から選考することが採用の成功につながります。営業に向いているという点が似ている人を多く集めるとよいのです。様々な職務に従事する人を総合職として採用し、入社後も定期的なジョブローテーションを行う場合、能力のタイプにおいては多様な人材を採用しておいた方がいいかもしれません。しかし、この場合であっても会社に適合する似た価値観を持っている人を集め採用することが社員の定着性を高めます。
似ている人が集まること自体を不安に思うことはありません。集まってくる学生が貴社の求める人材であるかどうかが重要なのです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員