今後インターンシップでの学生情報を採用活動に利用できる(特定の条件下)ようになりますが、その事が企業に与える影響や学生の動向に対し、企業側はどのような備えが必要になるでしょうか。
最近、この採用選考前提のインターンシップについてのご質問が多くなってきています。私も何度も書いていますが、まずはエンジニアを中心とした理系職でどんどん進んでいくことでしょう。そのうえで、文系職への広がりも考えられます。
もっと先に進むとこんなイメージも出てきます。
大学側が全面的に認め、学生が雪崩を打って採用のためのインターンシップ実施企業に応募するようになる。大学院進学希望者や公務員、教員職志望の学生は除いて大多数の学部生は大学進学の目的は良い就職先に就職することですから。
こうなると企業側もきれいごとを言っていられなくなります。他社より充実した内容のインターンシップを実施しより優秀な人材を早期から取り込もうとし始めます。ここでまた、採用前提のインターンシップは学業の妨げになるから中止せよという意見が出てくることも予想されますが、もう後戻りはできません。採用前提インターンシップを認め強力に支援する大学に学生の支持があつまりより魅力的な大手企業からの誘いが来る。中途半端な大学は経営そのものが立ち行かなくなるでしょう。そうした大学では、就職が望めない状況になるからです。
いまの、誰でもがオープンにエントリーできる新卒市場が、結局は実力のある一部の優秀層の学生と魅力のある企業のためのシステムに代わるだけかもしれません。
極端な結果になるとこうなります。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長