出世したくないという若者は本当に増えているのでしょうか?そういう新入社員ばかりだと会社自体が傾きそうで怖いです。
確かに最近そういう声をよく聞きます。出世しても給与はそれほどあがらず責任ばかり重たくなる、競争して人を出し抜いてまで出世したくない、部下から文句を言われるだけといった理由があげられていますが、要は出世は割に合わないと考えているということでしょう。
ある調査では、若者の8割は出世したくないと考えているという結果が出ているそうですが、一方で、マンパワーグループが2020年3月にリリースした調査結果では、
【役職についていない正社員20代~50代の男女400名に、「今後、管理職になりたいか」を聞いたところ、全体の8割超が「なりたくない」(83.0%)と回答した。年代別に見ると、「管理職になりたい」と回答をしたのは、20代(28.0%)、30代(23.0%)が最も多く、40代(10.0%)、50代(7.0%)より1~2割多い結果となった。年代が高くなるにつれ、「管理職になりたくない」という回答の割合が増えることがわかりました。】とあります。実際に長く働いても先がみえづらい年齢層の方が、「管理職になりたくない=なれない」とあきらめているいうのが現状に近いのではないでしょうか。
「出世」が目標かと聞かれれば否定的な回答をする若者にも、「自分の実力、能力に見合った評価を得られその結果として管理職というポジションと処遇がついてくるものだよ」と説明すれば、そういうことなら頑張りますと言ってくれると思うのですが、いかがでしょう。
確かに「出世」した結果何が残ったのかと聞かれて、はっきりと答えられる人は、昭和世代でも思ったより少ないかもしれません。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長