知的能力試験を昇進昇格試験に取り入れている話を耳にしますが、本当に実施する意味があるのでしょうか?管理職であればマネジメント能力を確認する、人物的にふさわしいかパーソナリティ面を確認するというのは分かるのですが、知的能力を試験に取り入れるメリットをご教示願います。
一度御社の管理職層に知的能力も含めたアセスメントを実施して、優秀な管理職として評価されているグループの知的能力試験の結果を分析してみてはいかがですか。知的能力面ではほぼ差がなく、パーソナリティ面で評価に差があるようであれば、パーソナリティ検査で判断しても問題ないかもしれません。
いわゆる現場上がりの管理職が多い場合は、それまでの経験値や取得している知識、スキルにそれほど差がなく、昇進後には自分の経験をもとにメンバーを指導していくことがマネジメントの基本であるというケースがあります。しかし、事業変化が激しい今日では、従来の知識、スキルでは立ちいかない場合が多くなっています。市場も変化していきますし、競合も変わっていきます。管理者といえどもリスキリングが求められる時代になってきているのです。
新たな事業分野の担当になった場合や、かつてもったことがない優秀な部下を活用しなければならないときには、管理者にも十分な知的能力レベルが求められます。
知的能力試験を含めたアセスメントを実施することには管理者の将来のキャリア構想の面でも有効なのではないでしょうか。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長