キャリア形成に向けた取り組みを進めているが、今後やりたいことや目指したいことが分からない社員がいます。社員の能力を生かして働く組織にしたいが、こういった社員へはどのようなことを心掛けてアプローチしたらよいか?
会社側ができるだけロールモデルを増やしていかないと、自分ではなかなかキャリア形成の計画を立てられないと思います。もちろん、そうした社員にも焦らせる、無用に急がせる必要はありません。年度ごとの業務上の目標や予算といったものはあるでしょうから、それをきちんと達成していくことを支援していき、その中でその後の目指すべき道筋へのヒントや足がかりとなるポイントを示してあげることでキャリア形成支援につながっていくのではないでしょうか。
入社前から、自分の30年後までのキャリアプランをもっている人もいますが、多くの場合仕事はやってみなければわかりませんし、周りの環境も日々変化していきます。もちろん同じ会社で働くことがキャリア形成ではありません。こうした「変化要因」もあることも示してあげてください。
なお、一定期間ごとにアセスメントを実施し、自分の能力の棚卸をさせる仕組みを導入すれば、徐々に自己のキャリアプランがみえてくる人も増えると思います。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長