性格的に心配性が過ぎるため、過去に大きな失敗をしたわけでもないのに失敗を恐れて思うように行動できないメンバーがいます。どのように指導したらよいでしょう。
適切なフィードバックを頻繁に行うことが解決の糸口になります。どんな仕事であっても良かった点と悪かった点があります。成功と失敗が頻繁に繰り返される営業のような仕事をしている人にとって、仕事とは成功もすれば失敗もするものであることは極めて当たり前のことですから、失敗に対する恐怖心はなくなっていきます。むしろ成功の快感を求めて積極的に行動するようになります。
今回の方は仕事での明らかな失敗を経験したことが無く、現在の仕事における成功と失敗の基準が曖昧なのです。客観的な基準が不明確であるため、高いレベルの成功基準を自ら作り出し、その基準に怖気づいているのです。役割と職務成果を対話によって再定義して、成果基準をできるだけ明確化し測定可能なものにしてください。そのうえで、業務上の良い点と改善すべき点をセットでフィードバックします。心配性過ぎる方に対して行うフィードバックですから、良い点2つに対して改善点を1つの割合でフィードバックしてください。もし、ご質問者様が上司のお立場だったとしたら、「失敗の責任は上司である私が必ずとるので、失敗しても構わない。思い切ってやって欲しい。」と覚悟を持って伝えてください。そして、失敗したら逃げずに責任をかぶってください。ご質問者様の求心力が高まります。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員