選考が早期化する一方、早期の応募者の歩留まりが悪く困っています。どのような施策が有効でしょうか。
民間企業の6月時点での就活状況調査をみても各社とも2024年卒者の内定状況が8割近いとの数字が出ています。しかも2社以上の複数内定をもった学生もかなりいるとのことです。これまで以上に内定獲得率が上がってきていますので、選考が早期化していることがうかがわれます。3年生時からのサマーインターンシップ開催企業や参加学生の増加を考えても実質的に選考がかなり前倒しになっているという状況です。
早期の応募者の歩留まりが悪くなっているのは、学生側もインターンシップ参加企業を主体に応募企業群を決め、その中で選考が進んでいく企業に絞っていく傾向が強くなっているからでしょう。大手企業にばかり応募しているわけでもなく、業界や職種を絞ることなく企業側の自分への評価、対応でその先まで応募し続けるかを決めていく傾向があります。
企業側としてはこの早期化に対応しながら、こうした応募学生の傾向をしっかり把握して自社の説明会や選考段階で抜け落ち状況に対する施策を行うしかありません。
会社説明会からの応募者群は、応募に際して負担が大きい企業や過度に選考基準が厳しいと感じられる企業から外れていきます。また学生への接触や情報提供が企業ペースで自分が選考段階でどのあたりにいるのか、自分の不安や疑問をいつの段階で解消できるのかがみえないといった状況は好みません。応募者へのフィードバックや進捗状況を伝えるといった早期からのコミュニケーションが大切です。応募者が自分の進捗を把握できることで応募継続、入社意欲形成へのモチベーション維持につながります。
毎年応募プロセス、選考プロセスともに見直して下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長