採用予定数が確保できないため、採用基準を落とさざるを得ない場合、何に気を付けるべきですか
本来であれば、予定数が確保できなくても採用基準を落とすべきではありません。質が下がった人材では、結果的に生産性の低下、組織の力の弱体化を招き、優秀な人材が抜けて行ってしまうリスクもはらんでいるからです。慎重に考えるべきです。
どうしても落とす場合でも、最低限の人材要件を設定しましょう。これまでは5つの視点からみていた能力を3つに絞りこむといった具合です。受け入れる会社側に基準変更についてしっかり説明し理解を求めることが必要です。既存社員とのコミュニケーションにおいても、従来採用した人材との差異を感じることが予想されるからです。
最低限の要件を満たす人材を採用するとなれば、これまで以上に入社後の指導、訓練に工夫を凝らすことが求められます。彼らが必要とされるスキル、知識を取得できるようにサポートする体制を準備しておくことが成功につながります。
中長期的には、御社の採用市場でのポジションの変化や採用環境そのものの変化により、採用予定数が確保できるような状況になることも期待できますが、採用基準を変更する際には慎重さと計画性が大切です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長