SHLの知的能力テストは学力ではなく地頭力を測るテストだと聞いた。当社の内定者を調べてみると、驚くことに試験対策をした学生は、していない学生よりも点数が低かった。試験対策はどの程度意味のあるものなのかをお聞きしたい。
試験対策すると点数が低くなるのは一般的かと問われたら、必ずしもそうではないとお答えします。問題形式、問題数、制限時間、必要な道具、問題の解き方、ページの進め方をよく理解し、練習したうえでテストを受検することではじめて真の能力が測定できます。テストに必ず練習問題がセットされているのはこれが理由です。
文章やデータを理解し、論理構造を把握し、応用して正答を導く能力は、ちょっとした練習によって成長するものではありません。運動能力に類似したものと考えてください。なまった体を本調子に持っていくところまでは、みるみるうちにパフォーマンスが上がります。しかし、自己ベストを超えるパフォーマンスを出すためには血のにじみ出るような努力が必要です。当社の知的能力が即しているものもこれに類似しています。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員