人口減少が続いており、就職活動における学生の売り手市場が今後も続くと考えられます。企業にとっての「新入社員」という存在の捉え方は、昔と今でどのように変化したのでしょうか?
日本の産業が国際的な競争力を維持できれば、国内企業の人手不足に伴う学生の売り手市場は続くかもしれません。しかし、このまま売り手市場が続くと考えるのはあまりに楽観的です。採用市場はこの30年間を見ても波がありました。ましてや人口が減少し、経済の自然な発展が見込みづらい日本社会です。これはさておき、ご質問は新入社員の捉え方がどのように変化してきたかでしたね。
残念ながら、新卒で職務経験の無い新入社員の取り扱いは変化していません。多くの会社が、日本特有のメンバーシップ型雇用だからです。会社はあらゆる職種への配属を前提に新入社員をゼロから教育します。これからジョブ型雇用が日本で普及した場合は、急激に新入社員の取り扱いが変化します。未経験者のための研修はなくなり、研修は即戦力としてのオンボーディングに変化します。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員