多様な人材を採用するために効果的な施策はありますか?過去の事例を教えてください。
わかりやすく多様性を確保するならば、多様な属性の人を採用してください。本来であれば多様性の軸を定義してそれらについて数値的な目標を持ち、採用を進めたいのですがなかなか難しい問題をはらんでいます。
年齢、性別、国籍、宗教は特定の枠を持つこと自体が採用差別につながってしまうのです。ポジティブアクション(アファーマティブアクション)と言いたいところですが、ポジティブアクションと逆差別の境界線は極めてあいまいで、厚生労働省も明確には定義できていません。厚労省は、採用選考では職務の適性と能力だけを見るべきであり、職務に関係ない情報(性別、年齢、国籍、民族、宗教、思想など)を収集すること自体が差別につながると言っています。つまり職務に関係のない属性を多様にする目的で各属性に関する情報を集め、それを考慮して選考すれば、その採用はダイバーシティ採用ではなく、採用差別ということになるのです。
キャリア採用と外国人採用の増加、採用人材の男女比を適正化を少しずつやっていくことが現実的な方法です。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員