頭脳明晰・弁舌が巧みだが、共感性に欠け部下を必要以上に追い込んでしまう上司がいます。直属の部下が体調を崩し退職することが多く、なんらかの対応をしなければならないのですが、どのような対策が望ましいでしょうか。
こういう状況になるような人がどうして人の上に立っているのでしょうか。それが不思議です。
「頭脳明晰さ、弁舌の巧みさ」で管理者になった人なのでしょうか。不適切な人が管理者にならないように昇進昇格試験の内容を見直して下さい。
こうした上司は、コミュニケーション方法が間違っているか大幅に不足しているか、部下に対するフィードバックができていない場合がほとんどです。部下からの声もまとめ、人事部門が一度研修を行う必要があります。もちろん、批判的なものばかりでなく、「頭脳明晰さや弁舌の巧みさ」について部下も高く評価しているのであれば加えて下さい。共感性や人間関係構築のスキル向上のための研修プログラムもありますし、過剰に追い込んでしまう背景に、実は上司こそ業務の負荷で追い込まれた状況の中で悩んでいて余裕がないという場合もあります。
業務全体を見直してみることも必要です。
もちろん体調を崩した部下に対するメンタルヘルスプログラムの提供やカウンセリングの実施といった支援も必要です。
こうした施策を講じながら状況が変わらないようであれば、上司の配置転換や指導の強化をご検討下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長