贔屓にしていたラーメン店が潰れてしまいました。物価高騰、特に電気代が厳しく存続をあきらめたそうです。このままだとチェーン店以外はほとんど潰れる可能性もあるとおもうのですがいかがお考えですか?
そもそも飲食店系は、はやりすたりがありますから、それほど単独で長くは続かないものです。また昨今のように原材料費や固定費が急激に上がるような状況は、独立系の飲食店には厳しい経営環境といえます。
加えてこれまで、地域に密着して営業してきた歴史のあるお店も、店主の高齢化にともなう後継者問題や地域の再開発に伴う移転問題など様々な課題を抱えて、消えていっています。
大手チェーン店であれば大量仕入れや効率的な物流システムをもって価格競争力を維持できますが、個人店ではいたしかたない値上げが客離れにつながります。
人手不足の問題も多いでしょう。家族経営では家族が犠牲になってしまいますし、大手のように人手不足解消のために各種ロボットや多機能レジを導入したりすることは厳しいです。
個人店では、従来以上に差別化を図りながら、地域とのつながりを強化して固定ファンをつかむことしかありません。SNSの活用や地域の同業者とも連携もしながら、デリバリーサービスやオンライン注文などへの対応で収益を増やしていく工夫も必要になるでしょう。
また、お客さん側(消費者側)が推しになってくれることでお店側が支えられるという流れになるのかもしれません。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長