採用プロセスでカルチャーフィットを重視しすぎて、多様性のある候補者を見逃してしまっているのではないかと心配しています。会社の文化に合うことは大切ですが、それがかえって新しい視点やスキルを持った人材の採用を妨げているように感じます。この点についてどうお考えでしょうか。
御社の今後の展望において、新しい視点や新たなスキルが必要とお考えですか。あるいは会社全体の事業展開にそうした新たな挑戦に向けた構想が表明されていますか。
もし、会社としてまた現場としてもそれほどそうした声を聞くことがない、強いニーズが感じられないというのであれば、これまで活躍してきた人材に近いタイプを組織にフィットするということで採用していくことに特に問題はないのではないでしょうか。もちろん、採用手法がバイアスのかかった主観的な面接のみということなら、最初から自分たちに合いそうもないということで、せっかくやる気と能力がある人材を見逃してしまっている可能性はあります。人材要件を大きく外れる人を採用する必要はありませんが、これまでとは違ったタイプであっても適性検査の結果を参考にして、こうした人材ならこうした仕事を任せることができるかもという視点で、採用を検討してみてはいかがでしょうか。
多様性のある採用を会社が考えるという姿勢が、既存社員の中にも新たな視点や価値観を創造していこうという意識変革につながっていきます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長