主体的なキャリア形成を促す上で、最初に人事が従業員に対してすべきサポートはなんでしょうか。
サポートするとは、力を貸して助けることです。
ご質問者様は、従業員は主体的にキャリアを形成したいのだが、なかなかうまくいかず苦境に立たされているという現状認識をなさっています。であれば、従業員の皆様にサポートして欲しいことを聞いてみてください。サポートしなければならないことが従業員の人数分でてきます。多くの人が希望し、現実的に可能なことから順にサポートしてください。
もし、従業員は主体的にキャリアを形成したいはずなのだが、なぜかそんな様子はなく、人事としてどのようなサポートしたらよいかわからないという状況であったとしたら、最初に調べるべきことは、従業員が本当に主体的なキャリアを形成したいと思っているかどうかです。
主体的なキャリアを形成したいとは思っておらず、会社にしがみつきたいと思っている人に対して、人事としてできる主体的なキャリア形成を実現するためのサポートはありません。人事としてできることがあるとすれば、それはサポートではなく、価値観を変容させるための環境整備です。つまり、主体的なキャリア形成をしない限り、自分の生活は危機にさらされるという危機感を醸成することです。これは決してサポートではありません。
ご質問者様の現状認識はきっと正しいはずです。従業員の皆さんがサポートに対する答えを持っています。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員