2025/03/18Q.4086
新卒採用からワークライフバランスを重視する学生が増えて生きている傾向にあると感じています。一方で、若手の内は30代以降のキャリアのためにも経験値を今のうちに着けていくべき、という現管理職世代の声もあるのが実情です。人事として、どっちの嗜好性を持つ人材を採用していくべきでしょうか。
これは、どちらか一方を選択すれば良いという問題ではありません。御社の事業成長に必要な人材戦略を踏まえながらバランスを考えた採用をお考えになるべきです。
就活中の学生や新入社員対象の意識調査でも「ライフバランス」を重視する傾向は強くなってきています。ただ、これは「遊びに比重を置き働きたくない」ということではありません。むしろ将来の自分の成長を考えるからこそ、自分を大切にしてワークバランスを大切にしたいと考えているということです。成長につながるキャリア機会の重要性は理解しています。
現場管理職世代の「若いうちは経験を積むように」という考え方も当然です。経験値を身につけた方が、将来のキャリアへの選択肢、チャレンジできるフィールドが広がるはずですから。
会社としての理想は、若いうちから自己成長を考える人とワークライフバランスを大切にしながら仕事もしっかりやっていきたいという人をバランス良く活用していくことです。
マイペースの人ばかりの集団では、事業の成長や革新は期待できないかもしれませんし、自己成長ばかり考える人の集団では組織としてのパワーの発揮や持続性が期待できないかもしれません。
採用時にこうした多様な人材を受け入れる土壌のある会社であるか、どの程度のバランスをとっていくか社内で議論をして下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長