新卒の給与を上げるニュースをよく見ます。当社でもあがったのですが中堅はほとんど変わりませんし福利厚生の一部がカットされました。この先こういう傾向が続いていくのでしょうか?ベテラン社員が抜けていってしまうと思うのですが。
「中堅はほとんど変わりませんし福利厚生の一部がカット」とお書きです。すべての企業が同じだとは申しませんが、新卒給与を上げている会社は、概ね会社全体では調整をはかっているはずです。原資は限られているはずですから。この前の春闘での満額回答にも、実現できている背景があるはずです。社員全体で給与アップできる会社はごく一部でしょうし、限られた時期だけかもしれません。
新卒採用が売り手市場になっており、優秀な人材獲得のために、初任給がどんどん上がっています。少子化による人材不足を考えればこの傾向は続くと思いますが、中堅層の給与の伸びを抑えるということになれば、結局は中堅層から不満が出てきて人が流出してしまいますので、元の木阿弥ではないでしょうか。
中小企業は、初任給競争自体に付いていけません。
このまま賃金(初任給)競争が続いても、企業はもちません。給与以外に働くモチベーションをもってもらうための要素を考えていく時代に来ているということでしょう。
働きがい、成長機会、年齢に関係なく能力を活かせる働き方、などでしょうか。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長