賃金面や評価を中心とした人事制度改定を進めております。全員が納得する制度設計をするのは難しいと思いますが、人事制度の改定内容に反発する人に対して丁寧な説明を繰り返す以外に理解してもらうにはどのようなやり方が良いのでしょうか。
おっしゃるように全員が納得する完璧な制度設計は、難しいです。
基本は「丁寧な説明を繰り返す」ことですが、それでも反発する人は出るものです。
まずは、その反発が「何に対してのものか」を考えて下さい。そもそも内容を理解していないから反発するのか、人事制度そのものに納得がいかないのか、理解はしているが自分には不利益と考えているのか、これらの内容を見極めて下さい。
こうした反発を招かないためには、説明に「何故この制度改定が必要か、改訂後に各自にとって何が変わるのか、変わった後でどのようなメリットがあるか」をストーリー展開する必要があります。「会社に必要なことです。ご理解下さい」では、通じません。
また会社全体説明会を実施して一度で終わらせようという姿勢では、反発を招くことがあります。むしろ事前に部門単位やチーム単位のグループミーティングを行い、共通の意見やコメントを吸い上げておくことが有益かもしれません。
「反発はあるかもしれませんが、最終的には納得できるゴールを目指して今後も調整していきます」という姿勢を示して下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長