プレーヤー時代に高業績を上げて管理職に昇進したものの、ハラスメントを起こしてしまう社員がいます。昇進昇格の基準を設定し直す必要があるかもしれないという議論がなされているのですが、どこから見直すべきでしょうか。
「プレーヤー実績」と「マネジメント適性」は必ずしも一致せず、優秀なプレーヤーだった人がマネージャーになったとたんにハラスメントなどのトラブルを起こすケースはあります。その人特有の事象の場合もありますが、制度や基準そのものの再点検が必要です。
まず、昇進昇格の基準が「業績偏重」になっていないか確認して下さい。これまでの成果だけで評価すれば、本人はこれまでの自分のやり方が正しいやり方だと判断し、そのやり方を問答無用で部下に押し付けるようなハラスメント行為につながります。
昇進昇格前後の管理職登用プロセスも見直して下さい。管理職としての心構え、スキルのアップデートが必要ですが、きちんと本人に伝わっているでしょうか。
業績基準だけでなく、管理職に必要な資質を定義してそれを明文化できているでしょうか。
- ステップとしては、
- 現状の昇進昇格基準、プロセスを見直す
- 過去のハラスメント事例を整理し、発生傾向を分析する
- プレーヤーとマネージャーの役割の違いを明確にする
- 業績以外の、管理職に必要な「適性・資質」を定義する
- 昇進昇格前後の育成プログラムの見直し
といったところでしょうか。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長