仕事はずば抜けてできるけども、挨拶は出来ないし遅刻もする新入社員。仕事は大したことないけど、元気はいいし気もきく新入社員。貴社ではどちらが出世しますか?
昔からよくある想定質問ですね。当社では、どちらのタイプもそのまま時間を過ごすだけでは出世しません。
まず前者のようなタイプは、周りに迷惑をかけることになり、大きなトラブルを生むリスクがあります。失敗したときは誰も助けてくれません。後者のようなタイプは、いつまでも結果を出さなければ「単に人が良いだけの人」という評価を下されます。長い目でみればどちらも出世できません。
もちろん、その会社の組織風土や人材に対する価値観によって違いはあるでしょう。
成果主義の会社なら結果がすべてかもしれませんし、人間関係の安定性を尊重する会社は、結果でなく雰囲気作りを評価するかもしれません。経営トップの考え方も関係します。
「出世」の定義もいろいろです。「出世」とは単に高給取りになることではなく、組織のリーダーになり他の人への影響力をもつポジションにつくことです。人として成長することと出世することは必ずしもイコールではありませんが、どちらのタイプでもまずは、自らが成長できなければ、他人への影響力など持てません。
いろいろ経験をして改善できていければ、その先も変わります。「仕事で結果が出せているのは周りの人に助けられているお陰だ」という思いが出てくれば、態度も変わるでしょう。
元気よく、気配りをしっかりできていれば、仕事でも結果に結びついていくはずです。そうしてこそ、周りに評価されて出世していくのではないでしょうか。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長