中途採用者がなかなか定着しません。仕事の内容が想像と違った、組織の価値観になじめなかったなどの退職理由があります。どうやって改善すれば良いでしょうか。
一般的な解決策はリアリスティックジョブプレビューの実施です。採用選考時に会社と仕事の魅力だけでなく、課題や大変な部分も正直に伝える手法です。
しかし、のどから手が出るほど人が欲しい時に応募者に辞退を促す手法を導入したくないという気持ちもわかります。
そこで、入社した中途採用者向けの「上司の取扱説明書」を作るというのはいかがでしょう。
これは、直属の上司が自らのマネジメントスタイルや仕事観、コミュニケーションの好み、部下への期待などを文書化し、入社時に部下と共有するものです。例えば「報連相はこまめに欲しい」「最初はスピードより丁寧さを重視」など、上司が大切にしている価値観を明文化することで、部下が上司との関係性を築きやすくなります。
また、入社3ヶ月後には部下から上司への「部下(私)の取扱説明書」を作成し、対話の機会を設けることで相互理解が深まり、信頼関係の構築が加速します。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員