営業成績はいいが、人間性がイマイチの社員がいます。意識を変えさせるために適性検査が活用できるのではないかと考えています。いいやり方はありますか。
人間性がイマイチという表現は人事に携わる者として控えるべきです。人間性という言葉は極めて多義的であり、主観的に好ましく思う人の特徴を指している言葉に過ぎません。人間性は評価する人によって意味が異なり、また人間性を評価される人が変われば、人間性の定義も変わってしまう曖昧模糊としたものです。
人間性がイマイチと考える理由を明確にして、どのように意識を変えてほしいと思っているかをはっきりと伝えれば、行動変容のきっかけになります。適性検査を使うまでもありません。
もし、適性検査に頼らなければ人間性がイマイチである根拠を説明できないのであれば、人間性がイマイチと評価しているその評価者本人の意識に問題があるのです。好き嫌いで人を評価することを慎み、行動をよく観察して客観的に問題点を指摘することが適切な指導です。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員