地方の研究所への配属があることを採用時に伝えていますが、いざ内定を出して配属先を伝えると辞退するケースがあります。どのような対策が可能でしょうか。
配属ガチャのひとつですね。内定辞退あるあるです。
採用時に伝えているということですが、その内容の伝え方と、内定者に最終判断をしてもらうタイミングの問題です。
選考中に、単に「当社の事業所、研究所はこうした場所にありますので、配属される可能性があります」と説明しているだけでは、応募の段階では自分のこととして受け取っていない可能性が高いです。また、入社前に「何故その研究所にあなたを配属することにしたのか」という説明なしに、「配属予定先はこちらです」と伝えるだけでは辞退につながる確率が高いです。
まず、地方勤務の可能性を伝えるだけではなく、実際に地方勤務になった場合の仕事内容、生活環境等をリアルなものとして実感してもらう工夫が必要です。研究所に勤務している先輩社員に地方勤務のメリットや苦労を語ってもらいましょう。可能であれば内定前に現地を見学してもらうことも効果的です。
生活面だけでなく、キャリアパスの面で不安がある応募者もいるはずです。地方の研究所から都市部(本社)に異動した先輩社員の事例を示すことや地方の研究所だからこそ身に付けられるスキル、技術を説明できれば前向きに捉えるはずです。
内定後の配属検討時期に情報提供するのではなく、面接段階、選考段階でも地方勤務の可能性について情報提供をして下さい。「あなたの専攻した勉強の内容ならこの研究所で生かせると思うよ。君の適性を考えると地方の勤務地の雰囲気の中でも活躍できそうだね」といったコミュニケーションです。
配属先通知をしたときに、内定者(入社予定者)が納得して赴任できる、入社が楽しみだと思えるような状況を作り上げることが一番です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長