中途採用をしても、うまく周りに馴染めずに辞めてしまう方が一定数います。現場の受け入れ態勢を見直したいのですが、まずどういった観点から見直すとよいでしょうか。
せっかく苦労して中途採用をしても、残念ながら定着しないことはあります。本人の能力・スキル不足であれば会社としても諦めがつきますが、優秀で期待できる人材なのに、早期に辞めてしまうというのはもったいないことです。
こうしたケースは、会社側の期待を配属先の現場が理解しておらず、単に補充人員の受け入れとしか考えていない場合が多いのではないでしょうか。
まずは採用時点で、現場での仕事内容、必要な人材についての情報を、会社と現場で整理・共有しておくことです。「なぜこの人を採用するのか」「どのような役割を期待しているのか」が共有されていないと、成果は本人任せということになりがちです。
その上で、オンボーディングの観点で、入社時からの行動をしっかり設計しておくことです。OJT担当やメンターを明確にし、採用された人が安心してスタートできる体制・雰囲気を作って下さい。中途だからできて当然。前任者の引継ぎ資料やマニュアルがあれば十分。という考え方では、中途入社者に「こんな放置状態だとこのまま続けるのは厳しいかも」と思われてしまいます。
入社後1週間、1か月、3か月という単位でヒアリング、フィードバックを繰り返し、現場側が改善できること、本人が改善すべきことを確認してすすめて下さい。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長