マルチタスクをこなせるようになるコツがあれば教えてください
「マルチタスクが得意です」というのはどんな人でしょう。
人間は本当に同時に複数のことをこなせるわけではありません。脳の仕組み上、実際にやっているのは“切り替え”であって“同時進行”ではないのです。
たとえば「けん玉」と「テニス」を一緒にやれ、と言われたらどうでしょう。片手にけん玉を持ちながらサーブを打つなんて非現実的ですし、むしろ下手になるだけです。
でも、テニスのコートチェンジの合間にけん玉をやる。休憩中や雨の日に練習する。こうすれば両方を並行して伸ばすことは十分に可能です。つまり“どのタイミングで何をやるか”を工夫することこそ、マルチタスクの本質なのです。
そこで役立つのが、かつて話題になった「GTD(Getting Things Done)」のようなタスク管理の手法です。これを続けることで段取りの勘所がつかめて、タスクを効率良く並行して進められるようになります。
面白いことに、マルチタスクが上手な人は一見“暇そう”に見えるものです。実際には水面下でしっかり段取りができているからこそ、余裕が生まれてそう見えるのです。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役