アパレル企業の採用担当です。人事と店舗スタッフが面接官となって面接を行っているのですが、現場側に採用基準が浸透せず、ぱっと見の人あたりの良さや元気の良さが評価に影響しているように思います。まず何に着手すべきでしょうか。
もし採用に関して大きな問題が生じているのであれば、採用担当を一カ所に集約する、あるいは担当者のトレーニングを強化するといった対応が必要です。逆に、現状で業績に支障がないのであれば、無理に仕組みを変える必要はありません。
また、店舗ごとのパフォーマンスを確認し、それぞれの状況に応じて対応を変えていくのも有効でしょう。画一的に制度を押し付けるよりも、現場に合わせて柔軟に動く方が成果につながるケースは少なくありません。
採用基準を設けること自体は健全ですが、それに固執すると優秀な人材を取りこぼすリスクもあります。たとえば「学歴」「経験年数」などの条件にこだわりすぎると、本来力を発揮できる人を見逃してしまう可能性があります。
実際、面接経験が乏しくても、人を見抜く力に長けている人は存在します。野球で言えば、プロ経験はなくても「スカウトの眼」を持っている人がいるのと同じです。そうした人材を見極め、適切に登用していくのも人事の重要な役割だと考えます。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役