コンプライアンス違反やセクハラ、パワハラ、横領の傾向などを採用時にチェックできる方法はありますか。
非常に難しい問題です。
先日、銀行の貸金庫をめぐって大きな事件が報じられました。
あの当事者を入社前に「見抜け」と言われたら、果たしてどれだけの企業ができたでしょうか。
自分自身も何度も考え込んでしまいました。
「ルール遵守の意識が低い人材を排除する」といった大雑把な分類で防げるのなら、
どの企業もとっくに苦労していないはずです。
とはいえ、過去の素行やトラブルを調べるために興信所を使うわけにもいきません。
個人情報や人権の観点から、それは明確にNGです。
結局のところ、採用でリスクをゼロにすることは不可能です。
できるのは、「リスクを可視化し、早期兆候を察知する」こと。
そして、入社後のマネジメントでそれをケアしていくことが現実的な方法だと考えます。
採用の段階で完璧を求めるよりも、組織としてリスクを“運用管理”する姿勢を持つことこそ、
これからの時代の健全な人材マネジメントといえるでしょう。
このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役