中小企業の社長で、10代後半~20代前半の息子が3名います。この3人のうちの誰かに事業を継いでもらおうと考えているのですが、一回外の世界を体験するのと、新卒のタイミングから自社を経験させるのとではどちらが良いでしょうか?長男はマネジメントの素質があると思っていますが、身内への事業継承において適性テストはどのように活用できますでしょうか?
ご子息の年齢から考えますと、ご質問者様はまだまだお元気に経営者として続けられる年齢で、事業継承の緊急性は薄いと思われます。その点では、一度外の世界を体験していただいた方がよろしいのではないでしょうか。
他社で働く経験は、将来の経営者としての視野を広げる材料になります。また、外で実績を積んでから入社した方が、周囲の信頼も得やすくなるのではないでしょうか。ご本人にとっても、自社の事業や働く社員の様子を客観的に見ることができ、自分が継承する際にやるべき課題や将来像が描きやすくなると思います。
もちろん早くから自社内で厳しく育てるという方法もありますが、その場合でも外部研修や他社との交流の場を設けるなどして「社外の雰囲気、世の常識」といったものを感じ取れる機会を作ることが必要です。
適性テストについては、入社後のリーダーシップ適性、社員とのコミュニケーション能力を確認するツールになりますし、将来の経営者としてのスタイルを定める材料になります。アセスメントを活用してハイポ人材選抜、経営者の育成プログラムを設定して事業継承を計画的に進められるようにして下さい。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長