自社でHRBPが立ち上がることとなりましたが、今までの部門人事と何が違うのかが、あまり明示されていません。世間的にHRBPに求められる優先的なスキル、役割は何でしょうか?
「HRBP(Human Resources Business Partner)」は、人事(HR)部門の従来の「制度運営・労務管理」という枠を超えて、事業(ビジネス)と人(ヒト・組織)をつなぐ戦略的パートナーとしての役割を担う職務とされています。
通常のHR業務を行う人事の担当者と比べ、経営戦略実現のためにより大きな視点で判断し、人事運営を実行することになります。そのために各部門の目標や課題を理解し、この部門をどのように強くしていくかを、人・組織面から設計していきます。いま企業で課題とされるタレントマネジメントやサクセッションプラン、組織デザインといったものをイメージしてください。
部門・組織の状態をデータや各種の指標を用いて可視化し、改善に活かしていきます。実務の実行・運用ではなく、戦略実行の手段としてHR施策を行うということです。
当然、会社全体のビジネス、部門についての理解が必要ですし、部門長・管理職・現場とのコミュニケーション力、マネジメント力が求められます。定量的に人・組織の課題を捉えるためのデータ分析、HR指標の活用力も大切です。
ベースとしてHRの専門知識、制度運用についての理解が必要ですが、加えて組織改革、変化を起こすためのプロジェクトマネジメント力、影響力、戦略的思考力なども求められます。
まずは、貴社にとって必要なHRBPの役割や期待を明確にすることからスタートしてはいかがでしょうか。
このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長