コラム

続・人事部長からの質問

2025/12/19Q.4273

失敗が予見できるにも関わらず、やれると勘違いして進めてしまう風潮が若手スタッフにあります。そこまで努力できなかった人が突然努力できるはずがないのですが、なぜそうポジティブな勘違いをするのでしょうか。

人は経験によって学びます。経験し、振り返り、持論を作り、同じ失敗を繰り返さないようにすることが経験学習です。成功経験よりも失敗経験の方が学びが多く、失敗によって人は成長するといっても過言ではありません。ご質問者様は多くの経験から学び、失敗しない方法を身に付けておられるのだと思います。
老害という言葉をご存知ですよね。多くの経験をしている年長者は、若手が持ってくる提案を既に経験しており、その方法でうまくいかなかったことを憶えています。そして新しい若手のアイデアを「それは以前失敗したから」という理由で一蹴するのです。これが老害です。
環境は変化しています。過去に失敗したことであっても、今ならうまくいくかもしれません。しかし、経験学習により確信を持った持論は論理を超えてしまうのです。無理なものは無理と言いたくなるのです。
ポジティブなのは若いからです。あなたがポジティブでなくなった理由は若さを失ったからです。年齢のことを言っているのではありません。精神のことを申し上げています。ポジティブでなければ新しいものは生み出せません。勘違いしているのは、もしかするとあなた自身かもしれません。若手スタッフの申し出の中に成功の可能性が含まれていることを見逃さないでください。

清田 茂

このコラムの担当者

清田 茂

日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員

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