従業員のキャリア志向と会社の戦略をどのようにすり合わせていけば良いでしょうか?
重要な質問だと思います。
これがしっかりできている部門では、離職者を一定数抑えられます。
新入社員の研修で自分がいつも説明することがあります。
重要なことは自分のキャリアであり、人生の貴重な時間を使う上でそれは大切なこと。
会社というのは電車のようなもので、新入社員として入った人はある駅から電車に乗り込んできたようなもの。
電車に乗っている人は行き先が最後まで一緒の人もいれば、目的地が違う人もいる。
目的地が違えば途中下車して別の電車に乗り換えればよい。
その目的地を具体的に持っている人が「キャリア志向」だと考えるとすっきりします。
会社の戦略は従業員(スタッフ)の最大公約数で決まるわけではありません。
電車の目的地が乗客にあわせて決まらないのと同じです。
会社としては目的地を明確に示し、従業員(スタッフ)の考えるキャリアをどう実現するかを具体的な行動に落とし込めれば十分です。
その中でどうしても今の会社で目指せないのであれば、別のルートを一緒に考えられると理想的です。
こうした姿勢がある組織は、たとえ退職があっても“前向きな離職”になり、残るメンバーの信頼も揺らぎません。
このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役