失敗やミスをした際の対応や学びが、部署内であまり共有されていないように感じています。組織全体で学びを広げていくためには、どのような仕組みを整えるとよいでしょうか。
これまでにも何度か触れてきましたが、「情報共有」は多くの場合、机上の空論です。
理由は単純です。情報を欲していない人、自分から取りに行かない人にはどれだけ仕組みを整えても共有など成立しないからです。
さらに厄介なのは、重要な情報を多く持っている人ほど忙しいという現実です。彼らにとって情報共有は自分の生産性を落とすだけであり、組織としてもコストになります。資料を整えて説明や会議に出る。その時間で本来の仕事がどれだけ前に進んだかを考えれば、生産性が落ちるのは明らかでしょう。
大きな役割も責任も情報も持たない、比較的余裕がある人のために、全社で一律の情報共有をする意味はありません。
昔、大手企業2社が「情報共有に成功した組織」として持ち上げられている書籍を読んだことがあります。しかし皮肉なことに、その後その2社はいずれも経営不振に陥りました。原因は一つではありませんが、「情報共有そのものが目的化した組織」がどこへ向かうのかを象徴する事例です。
情報共有は万能薬ではありません。
必要なのは「誰が」「何のために」「どこまで知るべきか」を明確にすることです。そこを曖昧にしたまま共有を推進すれば、忙しい人を疲弊させ、組織全体のスピードを落とすだけになります。
このコラムの担当者
三條 正樹
取締役