当社では現場の力が強く、例年、面接官に依頼するのが困難です。面接官トレーニングなどはもってのほか、面接開始前の30分程度、説明の時間を持つことが精一杯です。しかし、面接官の評価軸を揃えていきたいと考えています。どのような施策が可能でしょうか。
トレーニングせずに評価軸をそろえるいい方法があります。
面接官の評価傾向を調べ、適切な基準で評価している方を面接官として選抜し、そうでない面接官にはご遠慮いただくというやり方です。この方法では初年度は調査にあてるため、実行できるのは次年度以降となります。
面接官の評価傾向調査は以下のように行います。
- 応募者には面接前にパーソナリティ検査を受検してもらう。
- 1人の面接官が面接する人数は30名以上とする。
- 通常通り面接を行う。
- 面接官ごとに、総合評価点とパーソナリティ検査の因子得点との相関分析を行う。
- 総合評価点と相関の高いパーソナリティ検査の因子を特定し、評価の傾向を把握する。
例) 面接官Aは、明るく元気に振舞うタイプばかりを合格させているが、エネルギーとストレス耐性の強さについては評価対象となっていない。
面接官Bは、おとなしいタイプも合格させているが、エネルギーとストレス耐性については一定の水準以上の者しかいない。 - 評価の傾向から面接官を3つのグループ(A適切な評価をしている、B中間、C不適切な評価をしている)に分ける。
- 面接官Cグループには翌年面接を依頼しない。
この方法で、面接官を入れ替えていけば、評価のバラツキを少なくすることができます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員