選考基準が高まっていることに加え、学生が業界を絞らず応募している傾向もあり、他業界との内定バッティングも増加している。有効な辞退防止策はないでしょうか。
「昨年度の採用では、もともと自社の業界に目を向けていない学生に対してアピールし、母集団への取り込み、選考での評価にも成功したが結果的に内定辞退されてしまった。」ともお書きです。最近の学生は超就職氷河期ということもあり業界を比較的絞らず、興味のある企業の会社説明会に参加し社風が自分にあってそうならエントリーをというパターンが増えてきています。その意味では御社の会社説明会から選考途中まではそうした学生さんが働き易い雰囲気の会社と好印象を持ったということだと思います。
ただ、業界を絞って入社してきた人が多いこれまでの先輩社員や役員が面接や質問会で、同業他社を受けていない学生に対しては自社理解が本当にできているいのかという不安からその点を質問するあまり学生に入社先としてかえって再検討の余地を与えてしまう場合があります。
最終的な内定段階になると学生側も社員インタービューなどを通じて実際の入社後の具体的な仕事内容がイメージできるかで判断をするようになります。他業界志望の学生であればこそ、その学生がどういう点に興味を持ち、御社でどういう仕事をしてみたいかを最後まで汲み取ってあげて個々の学生ごとに対応してあげることが必要になってきます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長