グループ会社で説明会、テスト、面接等の採用プロセスを共同で実施する事を考えています。メリット・デメリットを教えてください。
グループ会社と共同で行う採用活動は大まかに分類すると以下の3つに分けられます。それぞれの特徴を申し上げます。
1.広報活動を共同で行うもの
グループ親会社の高い知名度や多種多様な事業会社をアピールすることで、多くの人を集めることが出来ます。グループ各社にとって良質な母集団形成のチャンスが増えます。採用広報を合理化できるため、広報コストを削減できます。
自社固有の人材要件を求める会社にとって共通化のメリットは少なく、従来の母集団形成を継続した場合、コスト増加につながる可能性がある点がデメリットです。
2.初期の採用選考まで共通に行うもの
書類選考、筆記試験等の初期選考を同一方法で行い、その後の面接は各社ごとに行うやり方です。一人の受検者が複数のグループ会社に併願する場合、受検者は応募書類提出と筆記試験の受検を1回で済ますことが出来る点が受検者側のメリットです。
グループ共通の採用基準を持つため人材のタイプやレベルをそろえられること、グループ各社は初期選考をアウトソーシングできるため業務とコストの削減がはかれることが会社側のメリットです。
独自の人材を採用したい会社にとっては、自社向きの人材集団を形成しづらくなります。
3.親会社等が一括で採用するもの
採用活動を1社が行い、入社後各グループ会社へ社員を出向させます。
多様な職務環境を準備できるため、幅広い適材適所の実現が可能です。入社後も、様々な環境から個々人の育成に適した環境を与えることが出来るため、社員の能力開発が促進され、多様な人材を活かすことが可能です。
入社後、不本意な出向が社員のモチベーションを低下させる可能性があります。
各社ごとの独自採用ができないため、各社の採用ニーズにあった採用ができるとは限りません。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員