残業をしない仕事術と銘打って、いくつかのノウハウ本が出ています。しかし、部下や他人に割り振るだけで上司ひとりが早帰りと言うケースが多いように思います。上司と部下のどちらも時短になる良い例はありませんか?
組織の一部でも歪みが出るような時短であれば、いくつかの要因はあるにせよマネジメント不足です。 良いマネージャーであれば会社の組織構造や制度すら変えてでも歪みを克服します。
当社でも今年4月から積極的に無駄な残業を取り除くようにしています。
方針が出てから、仕事のやり方を変えて効果の出ているチームとあれこれ理由を付けて効率の悪い仕事を好むチームに分かれています。割合は半々といところでしょうか。
単純に良い例を上げるのは難しいのですが、時短などの方針が上手くいくチームというのは仕事を量ではなく質で評価されることに理解を示して、各人の考え方や活動そのものが少しずつ変わるチームです。
皆が速く終えようとするため些細な業務も自ら考え知恵を出します、結果として能力が向上します。精神的にも体力的にも健康なため仕事に対して前向きになりやすく好循環になります。
悪いチームは現場の指揮官の仕事が遅い、遅い原因はやたら周囲に干渉する、無駄な会議が好き、能力が低い、自己満足を仕事の中心に据えている、こういうタイプの人です。なまじ遅くまで働いて上手くいった成功事例を自分自身が持っているため他人に無言の強要をしてだらだら仕事をする遅い組織を作り上げます。
単に経費的なことだけではなく、何か与えられたミッションを速く正確に進捗させるように考えることを放棄するため各人の能力が上がらず、また会社からも評価されず組織に不満が溜まります。
当社の中にも良い事例と悪い事例が混在しています。 まずは良い事例を増やし、その良い事例で育った人を会社の中心に据えれば組織は変わっていくでしょう。
最後にノウハウ本ですが、読む必要はありません。 現在の立場や環境、業務が一致していたとしてもそのまま上手いくケースなどほとんど無いからです。

このコラムの担当者
三條 正樹
日本エス・エイチ・エル株式会社 取締役