2011年5月25日付の日本経済新聞に民間企業調査の2012年卒予定者の大学求人倍率の記事がありました。昨年の1.28倍よりわずかに低下した1.23倍とのことでしたが、今後の動向をどのように予想されますか。
同じ24日に、2011年卒の大卒の就職率が91.1%と前年より0.7%下回り、氷河期並みの水準だったと発表がありました。3月11日の大震災で被災した岩手、宮城、福島の3県分は除いた暫定値ということで、実際はもっと厳しいとの見方もあります。
2012年卒採用でも企業側、学生側双方とも大震災の影響を受けており、秋以降の復興需要による景気回復で求人数増の期待が見込めるますが、今回の調査で、わずか0.05%の低下でおさまっていますが大企業では求人数がアップしたものの中小企業ではダウンという傾向で、超就職氷河期の中で就職先として中小企業までも考えるという学生側の意識とギャップが生じる結果となっています。
卒業後3年間は新卒扱い、広報活動開始時期や選考時期の見直しなど、個別の改善はなされていますが、今後少々景気が回復してきたとしても新卒採用は、学生にとって厳しい状況が続くと予想されます。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長