コラム

続・人事部長からの質問

2011/10/26Q.824

2013年卒採用では広報活動開始の後ろ倒しによって母集団が減少するだろうと伺っていますが、回答者様はどのようにお考えですか。それに伴って検討すべき課題や問題は何になるでしょうか。

あくまで、日程の後ろ倒しを期間の短縮と捉えた上での考え方です。

すでに、2013年卒学生向けの大学内就職ガイダンス等も始まっているようですが、昨年まであった「まずは就職サイトに登録して興味のある企業にエントリーしたりイベントに参加して採用情報を収集しましょう」という説明がなくなりました。学生にとっては、先輩たちの内定率が60%にも届かずかつてない厳しい就職環境と聞かされているうえに、自分たちはこの時期、企業にエントリーもできずにどうしたらよいか不安の中で12月からの広報開始を今かと待ちうけています。加えて企業側も国内の震災以降の復興の遅れや欧州の金融危機や米国の景気低迷、長期の円高圧力といった厳しい状況の中で採用の人数を増やしたり、採用コストを増やすような環境ではありません。当然、優秀人材獲得に向けて早期に応募者を集め、選考を終える計画で進んでいくでしょう。結果として学生側は4月までの限られた期間でエントリー、説明会参加、選考本番をこなさなければならず、実質的に行動できる(応募できる)企業群を絞り込まざるを得ません。企業側にすれば、ここ何年かバブル的に応募者が増えた著名企業でも応募者数が減ると予想されます。結果的に学生・企業とも相互の理解度がやや浅い中で短期決戦となる可能性が高くなっています。

企業としては、12月以降多様な手法で自社の仕事情報をまず学生に十分に伝えること、短期決戦前提ではなく、通年で良い人材を採用する方針を立て学生側にも焦らず受験できることを伝えるべきです。「この時期他社から内々定が出そうだから当社も合格」では、最適な人材の採用とは言えません。学生側、企業側に心の余裕がほしいところです。

奈良 学

このコラムの担当者

奈良 学

日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長

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