当社は毎年、採用選考初期に適性テストを利用しています。ストレス耐性に関する得点が年々下降傾向にあるのですが、近年の学生はストレスに弱い傾向があるのでしょうか。社内では、ゆとり教育との関連があるのではないかと仮説を立てています。
当社のパーソナリティ検査データを調べる限り、ストレス耐性得点の明らかな下降傾向は見られていません。
一方、若年層のメンタル疾患発症は多くの企業で問題視されており、各社は積極的にメンタルヘルス改善に取り組んでいます。
パーソナリティ検査が自己概念の得点化であることがこの矛盾の原因です。パーソナリティ検査の多くは就職活動をしている大学生のデータです。大学生は、自分が属する社会において自己概念を形成します。実態として精神力は低下しているのかもしれません。
私は、ゆとり教育が精神力を低下させたとは思いません。豊かさがハングリー精神を失わせたのだと考えています。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員