グローバル人材になりたいという学生が77%という調査データを見た。日本の将来は明るいとみてよいのか?
この調査での学生の考える「グローバル人材」がどのような定義なのかわかりませんが、8割近くの数字ということは、単に英語ができて海外で勤務する社会人というものに近いのかもしれません。これをもって日本の将来は明るいと単純には喜べませんね。むしろ最近では、海外留学する学生の数がここ数年減る傾向にあり、若者の内向き志向の表れで将来が暗いと言われています。しかし私はそうとも思いません。景気の低迷からの経済的な問題で海外留学まではできなくても、海外志向の強い若者が多いと思いますし、企業も早期から海外研修や駐在を経験させるケースが増えています。実際のところ海外在留邦人数は増えているそうです。
本当に必要とされている「グローバル人材」とは海外勤務経験に加え国際社会でリーダーシップを取れる人材です。「海外」を特別視せず、ちょっと遠距離の土地で働くぐらいの意識が一般的に根付けば日本の将来も明るいでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長