エントリーシートの内容を改訂する予定です。学生に負荷をかけずに差別化をはかるエントリーシートを作成するためのコツを教えて下さい。
エントリーシートで評価できるものの代表格は、(1)文才、(2)志望度、(3)適性の3つ。
(1)は課題によらず評価でき、(2)は負荷を減らすと評価できず、(3)は出題の工夫次第です。
今回は、エントリーシート選考によって、採るべき人が志望意欲を強め、採るべきでない人が志望意欲を弱めることが出来れば差別化の成功と考えることにします。
ここで考えるべきことは、採りたい人と採りたくない人のモチベーションリソース(意欲源)の違いです。採用基準を作成するにあたって、コンピテンシーを定義する会社は多いですが、モチベーションリソースを定義する会社は少ないのが現状です。
モチベーションリソースとは、個人のモチベーションにプラス(マイナス)の影響を与える仕事環境や条件です。例えば、忙しい仕事環境ほどやる気になる人もいれば、忙しいほどやる気がなくなる人がいます。忙しい職場において「忙しさ」でやる気をなくす人を採用することは致命的ですから、「忙しさ」は重要なモチベーションリソースとなります。
このようにモチベーションリソースを定義できたら、その環境や条件で意欲的になった経験をエントリーシートに書いてもらいます。問題作成にあたって意識すべきことは、受検者の志望意欲を高めさせることよりも、適性の弱いグループを如何にうまくトーンダウンさせるかということです。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員