各社様々な求める人材像を掲げて採用活動をしているはずなのに、業種をまたいで、複数の内定をもらう学生が存在するのはなぜですか?
新卒採用においては、上位校で面接の印象が良い人が多くの会社から合格を獲得できるからです。
面接学の評価バイアスに関する研究は、この現象の発生理由を説明しています。以下に掲げる2つの評価バイアスがその理由です。
-
知能に関わる情報は評価に強いバイアスをかける。
高知能であることを示す情報(高学歴や知的能力テスト高得点等)が事前に与えられると、面接官は被験者の言動を知的なものと受けとめてしまう。 -
能力は優れているが印象の悪い人と能力について不明だが印象の良い人がいた場合、面接官は後者を合格させる。
面接官は良い印象を持った人の不明な部分について肯定的な推測を行う。印象の良い人だからきっと能力も優れているだろう、と考える。
多くの会社が主観的な面接を行っているため、主観のバイアスによって高評価を得る学生がたくさんの会社から内定を獲得できるのです。
自社の求める要件を定義し、客観評価によって選考するほうが、自社に向く人材(よい人材)を採用できます。

このコラムの担当者
清田 茂
日本エス・エイチ・エル株式会社 執行役員