最近よく聞く“ダイバーシティ(多様性)の促進”これって、異質性の促進になってしまいませんか?
「大手自動車部品メーカーで人事を担当しています。昨今よく言われる「多様性」を促進していくと、「異質性」の促進につながりませんか?多様性の促進というと聞こえはいいですが、現場レベルでは人間関係がかえってうまくいかなくなるように感じるのですが、杞憂でしょうか。」とお書きです。
異質な物が多く集まると全体として多様化すると考えるとこうした捉え方もできるでしょう。しかし「異質=異物=害のあるもの」ではありません。人間は、異質なものを自己に対して有益なもの、つまり有効な結果を得るために参考になるものとして活用できる能力があります。
そして、インターネットで世界が繋がり市場がワールドワイドになり企業のグローバル化が叫ばれているこの時代では、否応なく異質なものに触れる機会が多くなってきます。
当初は異質なものの比率は小さいものかもれませんが、加速度的に広がっていくはずです。今後は企業が成長できるかどうかは、その「異質性」を「多様性」として受け入れられるかどうかにかかっているのではないでしょうか。その点では、過去にこだわりがある世代よりは異質性が当たり前の次の若い世代に期待したいですね。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長