社会保障と税の問題が取りざたされていますが、世代間格差についてどう思われますか?
社会保障と税の一体改革では消費税率引き上げが争点になって混迷を深めています。
すでに50代半ばに近い自分にとっては、将来に負担を強いることになっている現状を少しでも改善したいという思いはあります。日本の今後の国力の衰退を考えてもいまから対処していかないと本当にまずいと思います。日本の人口が50年先には4000万人以上減少し65歳以上が4割近くなるという推計が出ていました。将来、働き盛りの働き手は、自分は誰のために一生懸命働いているだろうと考えることでしょうね。もちろん何らかの施策を講じていけばここまでの状況を回避することも可能だとは思います。
世代間格差については、生活の状況が違う時代に生まれたことは選択の余地がないもので結果としてある種の「世代差」が存在することは認めざるを得ません。しかし現状のように日本の経済力の確かな回復が期待できない以上、いまの世代間格差をこれ以上拡大させない、格差を生じさせた要因を分析し同じ過ちを繰り返さないことが大切です。将来世代への先送りとせず、自分たち自分の問題として解決していく努力を現役世代がきちんとすべきでしょう。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長