両本社制導入を検討中。採用も分けるとデメリットありますか?
先の震災を受けて、真剣に東京と大阪の両本社制度を考えています。
それにともない採用も各本社で行う方向で話が進んでいます。
東日本大震災、原発事故以降に首都圏から本社機能を移転した会社さんが多くなったとマスコミでも取り上げられていました。ただ、事業の主戦場が首都圏という会社さんは市場自体を動かす訳にはいきませんので、本社機能は移転先(大阪)で現状部隊は東京そのままという形がほとんどでしょう。大阪発の企業がマーケットの大きな東京に拠点を構える、あるいは東西の企業同士が合併で一つになりしばらく両本社制度を取るといった従来型の両本社制度とは本質的に異なります。
御社がほぼ機能を分割し東京、大阪の両本社制度とするのであれば採用自体でのデメリットはそれほどないと考えます。現在も東西で会社説明会は実施しているのであれば、人事スタッフの大幅増といったコスト面のデメリットはそれほど心配しなくてよいはずです。大切なことは、人材要件を東京、大阪で統一し同じ選考基準で実施できるか、どちらで採用になっても配属では扱いは一緒でその後のキャリアプランも同一かどうかです。入社後の待遇に違いが出るのであれば、学生側の受け取り方も違いが出てきます。
学生にとっては、遠距離の交通費が少しでも減るのでありがたいはずです。
もちろん、まずは会社として両本社制度をどのように機能させていくか明確にすることが肝要です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長