12卒採用では全国で説明会を実施したが、北海道と福岡は学生の動き出しが遅く、東京や大阪は早いように感じた。 都心部は会社が集中しているからだと思うのだが、他に何か理由があるのか。
長引く景気低迷で家庭の経済的事情から地方の地元大学への進学を選択する学生も増えています。就職後もそのまま地元に残って親を安心させてやりたいという気持ちもあるでしょう。さらに就職活動が長期化しているため就活費用も学生の大きな負担になっています。かなり昔の四年生の秋口に就職活動をすれば良かった時代とは異なり、今は秋、冬から春、初夏と2シーズンのスーツが必要ですし、就活にはPCやスマートフォンが必需品です。特に地方の学生が首都圏や近畿圏などの説明会に出掛けるための交通費が大きな負担です。
こうした事から地方の学生は説明会が集中する本格的な時期にならないと効率良く活動できないという事情があります。
今年は広報活動の開始が12月以降と後ろ倒しになったことも影響しています。
企業側もWeb上でのネット説明会、Web面接など移動しないですむ方法や企業側が地方大学のキャンパスに出向いて説明会を開催するなど工夫をしていますが学生側の経費軽減までには至っていない状況です。

このコラムの担当者
奈良 学
日本エス・エイチ・エル株式会社 代表取締役社長