将来のパンデミック後の世界で、私たちがどんなキャリアや会社組織、社会を築くかは、私たちが何を「必要不可欠」だと思うか次第です。

現在のCOVID19パンデミックは、私たちの多くに、命や死、家族や一族、希望や恐怖のような重要な大きな問題について考えさせます。私たちはこの危機が永遠に続くはずはないとわかっていますが、未来がどのようなものになるのか、その片鱗だけでも見たいと渇望しています。新しい「ノーマル」とは、私たち家族や仕事、キャリア、将来に備えての能力、チーム、会社組織にとって何を意味するのでしょうか。また、顧客やメンバー、患者、学生、コミュニティに対する私たちの集団的なミッションにとって、何を意味するのでしょうか。

4月22日はアースディでした。この大きな変化と不確かさの中、人々は、大きな、根源的な、哲学的な疑問を問うています。私たちは、ビジネスとして、そして社会として、どうやっていけば自分や互いや地球をより大切にできるのでしょうか?生き残って繁栄するためには、実のところ、何をする必要があるのでしょうか?私たちの生活で必要不可欠なものは何なのでしょうか?

これら大問題の核心には、価値観やモラル、信仰、哲学があります。私たちの行動や決断、相互のやり取りに情報を与える、私たちが心の奥深くに持ってる信念や原則です。ゆく先の見えない新しい世界で私たちの役割やこれまでのやり方がもはや十分ではないという混沌や破壊の時、価値観が特に重要です。「絶対に必要なのは何か?」という基本的価値観に基づく疑問は現在、政府や国民が決めなければならない問題として公に論じられています。営業し続けるべき絶対必要なビジネスはどれか?絶対必要な働き手は誰か?家から出られない、または隔離場所にいる間の、不可欠な生活必需品は何か?

もう少し小さなことで、自宅で教育を受ける際の絶対必要な教科や活動は何か、のような問題もあります。私の家庭では私たちが共働きで、今、自宅で勉強する1年生から8年生の子供たちのサポートに苦心していますが、仕方なく、昔からの単純明快な原則である3R(reading, ‘riting, ‘rithmetic:「読み書きそろばん」)を使い、これにrecess(休憩)を加えて1学年前の内容をやらせています。(働いている親の皆さん、単純にいきましょう!)

通常の状態においても私は万事、考えすぎる方です。職業病かもしれません。ましてや今は通常の状態ではありません。心理学者として、私は多くの時間、毎日私たちの周囲で起こっている人間の行動を観察、分析することに費やしてきました。ですから、コロナウィルス・パンデミックやそれに対する人類の対応についての話に毎日、心を深く動かされると同時に、最近、「必要不可欠なものは何か」について人々が様々な意見を持っていることにますます興味をそそられています。

極端に言うと、「必要不可欠なものは何か」イコール「生き残るために必要なものは何か」です。ここでは「3」の生存ルールを適用できます。(注意:これは医学的なアドバイスではありません!)

人間はおよそ、食べ物なしで3週間、水なしで3日、身を守るシェルターなしで3時間、酸素なしで3分、生存できます。もちろんこれは、気候や脅威、持ち物、能力、運動、息を止められる時間などによります。しかしたとえこれらの推定値がおよその値であるとしても、このルールから、人間が生き残るために何が絶対必要で、それらがどういう優先順位であるべきかは極めて明確です。

おそらくもう一方の極端では、(世界のキャビアのサプライチェーンが壊れたことに不平を言う、大邸宅に閉じ込められたお金持ちたちの話を持ち出すまでもなく、)私の大学時代の自分の話を出せます。20才代の始めごろ、私は毎週末、同じ難しい決断に直面していました。「何が必要不可欠か」を判断するための深い価値観を求められる決断です。私は、(1)「遅くまで寝ている」か(2)「朝食兼昼食に出かける」かを選択しなければなりませんでした。当時、これは二律背反の難しい重要な決断に思えたものです。もちろん、今は私も年を重ね、遅くまで寝ていることも朝食兼昼食に出かけることも真に必要不可欠ではない、とわかっています。(必要なのは「コーヒー」だけです。)

仕事に関して言えば、米国の労働法や産業組織心理学の実務の中で、「何が必要不可欠か」に適用されるいくつかの概念があります。雇用主が採用で評価すべき必要不可欠なKSAO(Knowledge知識、Skillsスキル、Abilities能力、Other worker characteristicsその他の特徴)は何かを判断するための、職務を調べる科学的な手順(職務分析)があります。その発想は、雇用主は、職務の中で容易に学べるスキルや知識を基に採用すべきではないというものです。そして、高いパフォーマンスのために、職務に就いて初日に求められる要件とそれに対応する労働者の特性を定義することに大きな努力が払われます。

米国には、bona fide occupational qualification(BFOQ:真正な職業上の資格要件)と呼ばれる概念もあります。もしそのBFOQがその職務で絶対必要な前提要件であると証明できるならば、それらの要件が雇用決定で通常は違法な特性(性別、年齢)であっても、雇用主はそれらを基に採用することができます。ありがたいことに、そして当然なことですが、現代では、特定の性別や年齢であることが絶対必要な職務要件であると主張する雇用主はほとんどありません。

私たちひとりひとりが自分の生活で必要だと信じるものは極めて私的なものです。私たちが必要不可欠だとみなすものは、私たちの価値観や欲求、相対的に持っているもの/持っていないもの、文化、そして自分がこれまで慣れたものに基づいています。おそらく、皆が皆、3か月分のトイレットペーパーの在庫を必要とするわけではないでしょう(コーヒーはそうかもしれませんが)。

人生の大きな問題や自分の人生で何が必要不可欠かを考える際、あなたができるところで他者を助ける機会を考え、また、あなたが助けを必要な時には助けを求めてください。全員参加です!

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/what-is-essential-asking-big-questions-during-difficult-times/

著者はKen Lahti、SHLのChief Science and Innovation Officerです。

コロナ感染対策として「不要不急」という言葉をよく聞きます。何が必要で、何が急ぐべきことなのか、私はひとりひとり違うはずだと思います。自分の価値観を押し付けることは慎みたいです(政府はそうは言っていられないでしょうが)。

新しくリモートワークする人へ、リモートワークのプロからの5つのコツです。

約10年前、私のパートナーがロースクールへの奨学金を提供されました。私たちは当時ミネアポリスに住んでいましたが、ロースクールはオハイオ州にありました。 SHLには世界中にオフィスがあり、アメリカ国内にも複数のオフィスがありますが、オハイオ州にはオフィスがありませんでした。しかし、このチャンスを逃したくなく、私たちは荷物をまとめて引っ越し、私は初めてフルタイムのリモートワーカーになりました。

私の仕事はすでに100%コンピュータベースなので、その点で調整することはありませんでしたが、オフィス環境から外れることは、生産性に影響する多くの課題をもたらしました。長年かけて、私は生産性と心身の健康を維持するためのいくつかの技を学びました。以下が私のトップ5です。

私の家にはスペースがあって仕事に専念できる部屋があるので、私は幸運です。誰もがそういう部屋を持っているわけではないでしょうが、家の中で、たとえそれがキッチンの隅やソファーの特定のクッションであっても、仕事だけをする専用のスペースを作ることが重要です。仕事専用に分けられた物理的スペースがあると、仕事生活と家庭生活の間に精神的な分離を形成しやすくなります。請求書の支払い、姉妹からの電話、インスタグラムのチェックなど、仕事以外のことをしなければならない場合は、ワークスペースから離れてやってください。これは、仕事以外の活動に費やしている時間を知ることにも役立ちます。

オフィスでは、給湯室や休憩スペースなどでインフォーマルな情報共有や関係構築がたくさん行われます。これがもはや選択肢ではない場合、タスクに集中して時間を使いすぎ、息切れしてしまう可能性があります。使用しているチャットシステムを見て、現在会議に参加していない同僚を確認します。こんにちはと言って、彼らの様子を見たり、あなたが持っているアイデアを共有したり、彼らのプロジェクトについて質問したり、そして通常あなたが休憩スペースで共有するような個人的な情報を共有したりしてください。あなたの同僚もおそらくあなたと同じくらい社会的なつながりを求めているはずです。バーチャルでのつながりは、1日を分割し、アイデアの共有を促進し、ストレスを和らげることに役立ちます。

これはすべての人に当てはまる問題ではないかもしれませんが、私が最初にリモートワークを始めた時、オフィス内にいる同僚よりも毎日最大2~3時間長く働いていました。いつ終えていいかがわからなかったためです。オフィスで働いていた時は、午後5時15分に41Aのバスに乗らなければならなかったので、毎日5時に仕事を切り上げて帰宅しやすかったのです。もう通勤しなくてもよくなってからは、パートナーから夕食のテーブルに呼ばれるまで仕事を続けていました。

このことは私たちの関係を混乱させ、私は仕事で燃え尽きました。私はだんだん仕事を開始したくなくなりました。そこで、毎日の開始時刻と終了時刻を作成しました。勤務時間外に仕事の予定は入れず、終了時刻になったらチャットをシャットダウンしました。

予定には昼食の時間を組み入れており、仕事場を離れて、犬を散歩させたり自分が食事をとったりします。自分の仕事机で食べたくてもそうしません。時には問題が起こって通常の勤務時間を超えて仕事をしなければならないこともありますが、生産的であるためには、「没頭する」こととちょうど同じくらい「切断する」ことも重要です。

台所に一人で座っている時にちゃんとした服装を身に着けているのはばかげていると思う人は多いかもしれませんが、あたかもオフィスに向かうつもりであるかのように朝をスタートすることは気持ちの上での一日の準備に最適な方法です。パジャマを着たままでいると、仕事に打ち込むことは難しいです。

あなたのトレーニングルーチンについて話しているのではありません。たとえ毎朝3時間運動している場合でも、1日を通して血液が体の中を流れ続けることが重要です。在宅勤務は、標準的な机や椅子よりもはるかに快適な場所で仕事をする機会を提供します。あなたの仕事専用スペースが快適なリクライニングチェアである場合はそれもいいですが、仕事が単調な時には居眠りしやすいかもしれません。フィットネス器具はいろいろありますが、私のお勧めは、集中力を失い始めていることに気付いたら、立ち上がって水を取りに行き、少しストレッチをすることです。

あなたが私のような内向的な人であろうと、もしくは外向的な人であろうと、人との交わりは重要です。私たちは前例のないことに直面しています。あなたの心配なことを同僚と共有し、同僚にサポートを提供することが重要です。お互いに物理的に孤立している場合でも、一緒に乗り越えていけるでしょう。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/feeling-remote-tips-on-staying-productive-from-a-remote-work-veteran/

著者はDarrin Grelle、SHLのDigitalチームの主任研究員です。応用心理学の博士号を持ち、SHLでは特に知的能力テストの開発を担当しています。

実は訳者である私自身も、このコロナ危機以前から在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせた勤務形態を続けています。このブログにある5つのポイントはとても腑に落ちました。ただ、私は海外SHLオフィスとの連携も担当しています。来たメールはできれば早めに返したいと思うと、時差を考えるとメールのやり取りが日本の規定勤務時間外になることもしばしばです。Darrinが挙げた3つ目、「切断する」が私には少しネックかもしれません。

SHLが40年間の専門性を活用して、大規模なリモート勤務という新しい現実にビジネスや個人が自信をもって適応していくことを支援します。

どこでどのように仕事をするかについて、このような急速かつ完全なる変化を目撃するのは史上初めてです。リモートワーク(オフィスから離れた場所での勤務)は新しい概念ではありませんが、現在のCOVID-19パンデミックは、リモートワークを「機会」から「必要性」へと変えました。過去数週間で多くの仕事がリモートワークに移行しました。以前は家で仕事をすることを選択しなかった、または許可されていなかった数え切れないほどの人々が、今やそうすることを求められていますが、突然のことで多くの人がまだ準備できていないと感じています。

前例のない不確実性さにビジネスが直面するこの時期、SHLは、従業員の素早い移行のための重要なサポートとガイダンスを提供することによって顧客を支援しようと素早く行動しました。私たちは、40年間のコンピテンシーベース評価の経験、心理測定の研究と専門知識、およびリモートワークに対する熟知(研究開発チームの半数以上が何年もの間リモートで勤務してきました!)を、RemoteWorkQの開発に向けました。

RemoteWorkQは、会社組織の現在の従業員を、サポートされている生産的なリモートチームに最適化するために活用できるアセスメントです。最近の科学的研究が示す、リモートワークのパフォーマンスを成功させるために必要な8個の行動スタイル(仕事関係の維持、自律的に仕事をすること、集中力など)に焦点を当てています。

RemoteWorkQは、これら重要コンピテンシーを分析したものを管理職と個人の両方に提供します。管理職には、直属部下の強み、および能力開発とサポートの必要な分野に関する洞察と、うまくいくためのベストな管理方法についての有益なガイダンスが提示されます。

個人も同様に、自分の強みと能力開発の必要な領域に関する洞察と、リスク領域を克服するために自分の強みをどのように使うかについての個別のコーチングヒントを受け取ります。この短いアセスメントはどのデバイスでも受けられます。

リモートワークへの移行で直面する問題は人によって異なります。一日の終わりに仕事から離れることを難しいと感じる人もいれば、対面での接触がないために情緒的な緊張を感じる人もいます。 RemoteWorkQの目的は、どの従業員がどの領域でサポートを必要とするかを特定し、行動に移すことができるようなフィードバックを促して、従業員が仕事で幸福を感じながら意欲と生産性を維持できるようにすることです。従業員は現在のパンデミックの恐怖と新しい働き方のバランスを取ろうとしており、この種の洞察はこれまでにないほど重要です。

過去40年間、SHLは組織が多くの難問を乗り越えるお手伝いをしてきました。我々が生きてきた中で、世界中の人々の日常生活にこれほど劇的な影響を与える出来事に世界が直面したことはありません。SHLの豊富な研究と経験が、組織がこの危機を乗り越えるために使われています。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/remoteworkq-transition-your-team-to-a-supported-productive-remote-workforce/

著者はSara Gutierrez、SHLの研究開発チームのリーダーです。

RemoteWorkQはSHLフラッグシップ商品OPQ以来の画期的商品として発表されました。この情勢を鑑みて発売のタイミングを予定よりも大きく前倒ししたようで、我々にもまだ商品の詳細まで伝えられていません。

日本の皆様にも役立つはずの商品です。日本語版の開発を積極的に働きかけていくつもりです。

科学に裏付けられた、AI搭載のビデオ面接ソリューションが、採用のための公平なソリューションを生み出し、採用にかかる時間を80%削減します。

ビデオ面接が強力で貴重な新しい採用ツールであることに議論の余地はありません。候補者と採用担当者の両者をスケジュール調整や移動の制約から解放しますので、より多くの候補者が面接を受けられる可能性が開かれます。しかし、より多くの面接を効率的かつ効果的に管理するためには、面接の評価方法を見直す必要があります。

人工知能(AI)は、決定を力強く補助し、プロセスに一層の標準化をもたらすものとして有望です。テクノロジーを支える科学の基礎があれば、AIは公平で有益です。

SHLビデオ面接ソリューション以前、AIによるビデオ面接ツールには2種類ありました。

ひとつめのツールは、ウェブ外のなんらかのAIベースの顔認識分析を用いてビデオを分析するものです。このツールは大量の得点を吐き出しますが、その結果が職務に関連している、もしくは、採否決定や職務パフォーマンスを予測していると言える根拠や証拠はありません。

もうひとつのツールは現在の採用プロセスを模倣したりその職務のトップ・パフォーマーを予測したりするよう、そのAIを学習させるものです。ここでの問題は、そのアプローチにはアセスメントの科学における理論的根拠がないことです。アルゴリズムは単純に現在のシステムにおけるバイアスを広めます。例えば、もし会社が女性を低く評価してあまり選抜していなければ、アルゴリズムもそうなるでしょう。

これらふたつのアプローチのどちらも機能しないことは明らかです。それでは、解決法は何でしょうか?ビデオ面接を使わないことでしょうか?絶対に違います。科学が救いの手を差し伸べます。

SHLは妥当化されたAIアルゴリズムを用いて、候補者を職務関連コンピテンシーに照らして採点します。どのコンピテンシーを評価するかは、職務要件を基に科学が情報を提供します。

評価されるコンピテンシーには、ソーシャルスキルや自信、仕事マネジメントなどの分野を含めることができます。また、候補者によって提示された回答の内容を基に、Javaスキルなどのドメインスキルや職務知識を評価することもできます。

我々は内容的妥当性のある質問を用い、候補者が答える文章を使って回答を測定するNatural Language Processing(NLP)を開発しました。顧客は、ビデオ面接において職種によって異なる採点方法を設定でき、その後、自動採点モデルで関連するコンピテンシーの得点を組み合わせることができます。この組み合わせは従来のアセスメントと同様です。

我々のAIアルゴリズムが公平で偏りのないものであることを確認するために、SHLは製品開発中ならびに顧客に導入後、グループ間の得点差を検証しています。Uniform Guideline on Employee Selection Proceduresなどの専門基準に従い、我々は得点を検討して保護グループに対する「不利な影響(adverse impact)」の証拠を探します。もしAIアルゴリズムが「不利な影響」を示しているように見えれば、我々はアルゴリズムの構成要素の特徴を調べ、意図しない得点差を生み出す特徴を見つけて取り除きます。

科学を用いてAIを導くと、ビデオ面接ツールは非常に強力になります。職務関連コンピテンシーを評価すること、実証的に妥当化されたAI採点を用いること、そして、公平性/バイアスについてアルゴリズムをモニターすることによって、我々はAIの力を活かして、素晴らしい、関係者全員にとってのウィンウィンの人事決定を下すことができるのです。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/shls-video-interviewing-solution-unites-the-worlds-workforce/

著者はHimanshu Aggarwal。昨年SHLが買収したAspiring Minds の共同創立者のひとりで、AIを用いたアセスメント技術の第一人者です。

SHLグループはバーチャル・ソリューションとしてビデオ面接を発表しました。
(詳しくはhttps://www.shl.com/en/solutions/virtual/をご覧ください。)
現時点では英語版のみです。

我々としては、それがどれくらい効果的で世の中に受け入れられていくのか、その動向を見極めながら日本語版の開発を促していくことになると思われます。

危機の時のリーダーシップ:コロナウィルス大流行にリーダーたちが上手く対応することを可能にする6つの行動

多くのリーダー職で核となる目的をまとめる際、「人やオペレーションの安全・安心を確保する」という安全志向責任は、鉱業や製造業などの業界リーダー特有のものになりがちです。しかし、最近の新型コロナウィルス(Covid-19)大流行は、役割の核となる目的がいかに素早く変化し得るか、リーダーが予期せぬ課題に対して自分のチームや会社、社会のために進む準備ができていなければならないか、を示しています。

不安が増大する不透明なこの時、会社は重要な決断をするビジネスリーダーを頼みとします。会社はまた、人事リーダーが事業継続性と社員福祉のバランスをとるようなシナリオを企画して社員に伝えることにも期待します。一時的なこの難しい役割を引き受けられる人は誰かをじっくり考える時です。SHLが共催した独創的な2016年の調査研究では、リーダー9,000人とその部下35,000人のデータが分析され、世界規模の課題の克服における成功を予測するような行動が明らかにされました。

明らかになった特性は以下の通り。現在のCovid-19危機に設定を置いて説明します。

  1. 他者を理解する

    人を責めたり悪口を言ったりする場合ではありません。また知らないで済むことでもありません。リーダーは人間的な思いやりを共有することを強調し、相手を認めて効果的かつ共感的に対応するロールモデルとなる時です。

  2. 他者を説得する

    私がこの記事を書いている間も、世界中で、リーダーによって即時の厳しい決断が下され実行されています。Covid-19の症例は特定の国や場所で見つかっていますが、その場所のリーダーたちは、他の場所のオフィスとの連携を保ちながらも現地での断固とした行動を促さなければなりません。

  3. 知識とガイダンスを共有する

    今回の場合、リーダーがグローバルにつながることが必要です。サポートやリソースを共有し、不測の事態に対する計画を比較します。どの対応が効果的だった(もしくは効果的でなかった)と実証されたのかを積極的に理解しなければなりません。前例のない状況では知識は力です。

  4. 感情に訴える

    この大流行が及ぼす心理的な影響はまだ広く認知されていませんが、リーダーは、恐怖から怒り、否定まで、様々な反応に鋭敏である必要があります。即時の、苦渋の、場合によっては激的でさえあるような行動をとるよう関係者に説得しようとする際、他者の観点や動機を理解することが大きな助けとなります。

  5. 倫理的に行動する

    多くの企業が出張を制限したり出勤の時間を調整したりしている時です。あらゆる業界にとっての財務的影響は明らかで、世界経済は停滞しつつあります。しかし、地球上で苦しむ人の数を最小限にするよう、今は利益よりも結束の時です。大きな影響力を持つ企業リーダーには真に大きな責任が課せられます。

  6. ルールや規則に従う

    状況の追跡や封じ込め、社会的ガイドライン提示という点で、多くの国が素早く反応していますが、同じレベルのリソースや情報が得られず、公的なガイダンスが抜けている国もあります。企業リーダーはこれらの展開を注視し、抜けている場合は自分たち自身のガイドラインを導入したり、率先垂範して指示されたやり方に従ったりする必要があります。


日々変化する状況は考えるチャンスです。この大流行は社内に緊急事態に対する準備が必要であることをあらためて思い出させます。人やオペレーションの安全・安心が脅威にさらされている時のリーダーを素早く見つけて動かすための、計画やアプローチが設定されていることが必須条件です。

そのような人は、ニーズが起こった時に単純に現れてくるわけではありません。そうではなく、リーダーは戦略的にじっくりと厳しく吟味され、その役割を果たすべく訓練されなければならないのです。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/are-your-leaders-ready-for-the-challenge-of-a-global-pandemic/

著者はLauren Huntington、SHL東南アジアのPrincipal Consultantです。シンガポールに拠点を置き、様々な業界の顧客の人事課題解決に取り組んでいます。

コロナウィルスの大流行に対しては、日本企業の中でも出社時間の調整や在宅ワークの取り組みをしているところが増えています。いたずらに不安に駆られてしまうことなく、会社組織としてリーダーの危機対応能力が試される時だと受け留めて対応していきたいものです。

SHLが初めて開催したサイエンス・アワードで3人の受賞者が選ばれました。彼らには我が社の研究部門でインターンをする機会が与えられます。

私はSHLに長年勤務していろいろな仕事をやってきましたが、その中でも今回我々が初開催したサイエンス・アワードへの応募が成功した3人の受賞者にメールを送ることは最もやりがいのある仕事でした。SHLが学界との関係を強化する機会として、またHRMと産業心理学大学院生と私たちがつながる機会として、私たちはこの賞を始めました!

SHLのコアバリューは「好奇心」と「革新」です。ビジネスとして私たちは最新のトレンドや研究についていくことの重要性を認識していますが、それだけでなく、産業心理学者を雇用している最大の民間会社として、学生たちがこの職業に就くことを支援/促進することが我々の責任であるとも自覚しています。そこで、大学や専門機関との緊密な関係を促進するための一連の策を開発しました。

SHLサイエンス・アワードのアイデアは、イーストロンドン大学のプログラムディレクターであるMark Hollowayによって提案され、Teri Ellison(SHL最高人事責任者)、Sarah McLellan(英国マネージングディレクター)、Ken Lahti(チーフ・サイエンスオフィサー)、Robin Raven(チーフ・プロダクトオフィサー)、Helen Farrell(上級コンサルタント)によって直ちに支持されました。学生たちの論文完成時に要約版を提出してもらい、SHLが審査します。審査の基準は「Impact」「Connection」「Fearless Innovation」「Curiosity」です。

結果は目を見張るものでした!まずびっくりしたのはトピックスの幅広さです。行動経済学、ワークスペース設計、選抜、キャリアプランニング、従業員エンゲージメント、性別や年齢や民族性の多様性をサポートするものなど広い分野をカバーしていました。ふたつめは、提出してくれた人々全員による研究の質です。定性的と定量的、両方の研究方法を組み合わせており、先行研究を踏まえて自分の研究結果の意味するところを考察している点に感心しました。

審査員として3人の受賞者を選ぶのは難しい仕事でしたが、最終的に以下のように決定しました。

初めてのアワード開催でしたが、好評を博したことを私たちはうれしく思っています。そして、受賞者たちがSHLの有給インターンに参加して当社ロンドンオフィスのR&Dチームに対して研究発表してくれることを心待ちにしています。また、2020年にこの賞を再び開催する予定です。もしあなたが大学院課程の学生ならば、注目していてください。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/promoting-the-profession-of-i-o-psych-shls-inaugural-science-award/

著者はEd Rivlin。SHLイギリス本社で職業心理学者のチームを率いるリーダーです。このブログは2019年11月にアップされたものです。

日本では心理学の大学院出身者がその専門性を生かして民間企業に就職することはまだ珍しいのではないでしょうか。日本SHLは人事アセスメント会社としてはまだまだ小規模ですが、当社のコンサルタントには心理学の博士号をもつ者がいます。また、お客様のニーズ解決を目指し大学教授との共同研究も始めました。産業組織心理学の知見を実際の人事現場にどう生かせるか、楽しみにしていてください。

人事リーダーの皆様へ

ご存じの通り、当社はチームメンバーに定期のパフォーマンスレビューを実施しています。毎年1月、休暇が終わって皆が新たな気持ちで仕事に向かう時、我々は時間を取って日常の仕事から離れ、昨年のあなたのパフォーマンスについての我々の見解を振り返ります。あなたにはそれを基に、上司とみっちり1時間話し合いを持ち、今年、成長して一層高いパフォーマンスを上げられるようなアクション・ラーニング目標を設定していただきます。

このリポートは、2020年、あなたに期待するパフォーマンス変化について、あなたの上司や同僚、直属部下、顧客からのフィードバックをまとめたものです。このフィードバックについてより詳しく上司と話し合い、成長目標を合意してください。

あなた独自の強みと能力開発ポイントについての、焦点を絞った、生産的で支援的な対話を促すため、このリポートは3つの領域に分けて組み立てられています。すなわち、あなたが昨年よりも成功するために、あなたが(1)止めるべきこと、(2)始めるべきこと、(3)引き続きやるべきこと、です。昨年は大変お疲れ様でした。2020年も期待しています。

♯1:止めるべきこと
AIやマシンラーニング、ニューロサイエンスなどを持ち出してひけらかすこと

人事にとって現代の「通貨」はビジネスインパクトです。素敵な新しいテクノロジーによってより良い人事決定が可能になりました。しかし、新テクノロジーがそのままビジネスに結果を出すことにつながるとは限りません。人事リーダーは、最重要ビジネス課題を支援するような効果的な人事戦略を開発することでインパクトを最大化できます。これらの人事戦略を遂行するために、人事リーダーには、その仕事をうまく、公平かつ効率的に、そして納期と予算通りにでき、また、購入や導入がしやすいツールやプロセスに注目してもらいたいです。

2020年、人事リーダーには、キラキラした新しいHRテック-人工知能やマシンラーニングなど脳や遺伝子に関わるものすべて-の登場に夢中になった状態を脱してもらいたい。そして、より良い人事決定を通して目に見える形でビジネスにインパクトを与えるという基本に戻ってもらいたい、と考えます。新しいツールが実は社員の力を高めないのであれば、それがAIであっても、ニューロサイエンスであっても、関係ありません。

人事リーダーは、テクノロジーが、より確かな人物像や人事投資でもってビジネスのミッションを進めることにどう役立つのか、に再度焦点を当てるべきです。現実の問題を解決しない「○○搭載」商品を売り込んでくるベンダーによって方向を見失ってはいけません。

♯2:始めるべきこと
「タレント」という言葉を、「人」から「チーム」へ再定義すること

「タレント」の見方をちょっと変えて、人々のグループの集積された能力ポートフォリオとして捉えてはどうでしょうか。個人で考えると、完全にマッチする人を見つけるのはますます難しくなります。チームで考えることによって、競争力の高いツールとしての様々な働き方(臨時社員、テンポラリー、契約社員、フリーランスのギグなど)や新しい組織構造(ファンクショナル・アウトソーシング、バーチャル・チームなど)のパワーと価値を解き放つことができます。

人事リーダーにスキルやコンピテンシーに基づいてチームの人員配置を考えさせるようなこの「タレント」の新定義はまた、会社のトレーニングや能力開発の戦略を変えます。例えば、トレーニング・ニーズをどう診断するか、会社が提供する学習機会に社員がどうアクセスしてどう報酬を得るか、などです。

♯3:引き続きやるべきこと
証拠に基づく人事決定をサポートするためにデータを活用すること

2020年、人事リーダーは引き続き「デジタル化」に取り組み、データや分析を活用して、自社の人材マネジメントプログラムの健康状態を診断して、そのインパクトや人事の投資効果を定量化すべきです。

ビジネスは、人事リーダーが、価値の高い先駆的指標を見分け、より早いフィードバックを得る方法を考え付き、プロセスと結果についての有意義な測定値を判断する、と信頼しています。そして、分析を実施して、タレントプログラムが会社や我々のチームに与える影響を評価する他のデータソースを明らかにしてくれる、と期待しています。

人事リーダーの皆様の多大な貢献に感謝しています。あなたが次に何をやるのか、待ちきれません。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/3-things-hr-should-stop-start-and-continue-doing-in-the-new-year/

著者はKen Lahti。SHLのChief Science and Innovation Officerです。

この記事の形式は少し手が込んでいて、人事リーダーに対する、年次考課のフィードバックの形をとっています。Kenは不特定多数の人事リーダーを念頭に書いているわけですが、経験豊富な彼の意見に、日本で人事に携わっている皆様にも当てはまるところがあるのではないでしょうか。

私は#2の「タレントを個人ではなく、チームで考える」というコメントが印象に残りました。最近、お客様企業からチーム編成や相性(?)などについての問題提起をいただくことが増えてきた、と感じています。職務の遂行に求められる要件はますます多岐にわたり複雑化しています。それをひとりの人に求めるのはかなり無謀かもしれません。まだまだストレートな答えのない問題ですが、今後の取り組みテーマだと思っています。

SHLの革新的なタレント・セントラル・プラットフォームでKenexa(ケネクサ)のテスト内容が実施できるようになります。

【ニューヨーク/2020年1月9日/PRNewswire】
タレント・イノベーションにおけるグローバルリーダーであるSHLは本日、世界中のビジネスに先進的な人事アセスメントを提供するために、IBMとパートナーを組むことを発表しました。

長期に渡る関係の延長で、SHLとIBMは提携して、Kenexaアセスメントの顧客に移行の道を提供します。SHLは、その革新的なタレント・セントラル・プラットフォームを通して、SHLのタレント・アセスメント・ポートフォリオ全体に加え、IBM Kenexaアセスメントのテストマテリアルを提供するようになります。

『IBM Kenexaアセスメントのお客様に継続性を提供できるだけでなく、彼らにエンド・ツー・エンドの一揃いのアセスメントと実用的なピープル・インサイトを提供できる機会を得られることを喜んでいます。』(アンディ・ブラッドショー SHL CEO)

『タレント・アセスメントの革新的ポートフォリオを持つ会社であるSHLとパートナーを組むことを、IBMはうれしく思っています。』(トレーシー・ウィーバー Vice President, Cognitive Applications, IBM)

この発表は、SHLがAspiring Minds社を買収してそのアセスメント・ポートフォリオの幅を広げ、人工知能の能力を著しく強化した直後になされました。SHLは途切れのない革新を推進する追加投資を計画しており、より正確で効率的で予測力の高い人事決定を推進する比類なきソリューションを提供していきます。

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/newsroom/press-releases/shl-partners-with-ibm-for-kenexa-talent-assessments/

Kenexaは採用/人事管理ソリューションの分野で大きな実績を持つ会社で、2012年にIBMによって買収され、IBM Kenexaとして生まれ変わりました。AIを駆使し、蓄積された膨大なデータと産業心理学の知見を基に、人材の客観的評価を可能にすると謳っています。

筆者の知る限り、日本での知名度はさほどメジャーではありませんが、タレント・マネジメント・システムとして、アメリカの有名企業の多くがIBM Kenexaを導入しているようです。

このパートナー提携によって具体的にどんなことが可能になるのか、残念ながら詳細はこれからです。もし皆様の中で現在Kenexaをお使いの方がいらっしゃいましたら、今後についてぜひ私たちにお声掛けください。

SHLが、パフォーマンス・ポテンシャル・適性を予測する世界有数のパーソナリティ検査の受検経験を向上させました。

昨年9月にリリースされた新しいパーソナリティ検査OPQ reimaginedは現代的で視覚にアピールするもので、どんなデバイスでも受けられます。科学とテクノロジーの橋渡しをし、職場におけるパーソナリティを心理測定学的にしっかり測定しながら、わくわくするような(「面白い」と言ってもいいでしょう)経験を受検者にもたらします。

これは重要なことです。なぜならば、超競争的な人材マーケットでは、受検者からの高い期待に合致する採用戦略が必要だからです。伝統的な採用アプローチは質の高い採用を産み出しません。トップ人材を惹きつけるために、企業は受検者とのやり取りの最初からポジティブなブランドイメージを確立する必要があります。採用でパーソナリティ検査などを使うとトップ人材を獲得できる確率は高まりますが、彼らを「惹き付ける」要素は欠けがちです。

通常、職場におけるパーソナリティ検査は長く、繰り返しに思える項目が続き、受検者にとってイライラする経験につながりかねません。採用チームのニーズは、受検者の職務に対するポテンシャルや適合度を予測して理解すると同時に、受検者にポジティブな「エクスペリエンス(経験)」を提供するよう進化していますが、これら伝統的な検査ではそのニーズを満たすことができません。

数十年の間、企業は、社員ライフサイクル全体に渡って人材を理解するための比類なきリソースとして、パフォーマンス・ポテンシャル・適合度を予測する世界有数のパーソナリティ検査であるOPQを活用してきました。しかし、我々は、現在および将来の顧客企業に同等の価値を提供し続けるためには、OPQのエクスペリエンスを進化させなければならないことを知っていました。我々の研究チームとテクノロジーチームが合同でこれにあたり、多大な努力を費やしました。そして、結果の妥当性を維持しながらも驚くほど魅力的なアセスメントをデザインできたのです!

我々は、受検者を念頭におき、はるかに魅力的なエクスペリエンスを狙ってOPQを再考しました。その成果として、検査の回答に必要な認知作業が著しく低減され、より速くより容易な受検者エクスペリエンスに結実する回答フローが生まれました。もちろん、これまでのOPQと同等の科学的厳密さと心理測定的機能を保ちながらです。

reimagined OPQは、最大で50%速く回答できます。いくつかのデザインアプローチによってこれを達成できました。

「最も合う」項目を選ぶ
3つの項目を提示して受検者に自分に最も合うものと最も合わないものを選ばせる代わりに、受検者には1つの質問だけをします。すなわち、「あなたに最も合う項目を選んでください」。受検者が選んだらその項目は画面から自動的に消え、今度は受検者に残る2つの項目から「最も合う」ものを選んでもらいます。
焦点を絞った意思決定
「最も合う」とした項目が画面から消えることで、受検者はすでに下した決定に邪魔されることなく手元の課題に集中できます。受検者は一方向だけ考えればよいのです。すなわち、提示された選択肢の中から「自分に最も合う項目」を選ぶことです。「自分に最も合うもの」と「自分に最も合わないもの」という正反対のことを考える必要はありません。

我々の顧客が我々を信頼しているのは、マーケットで最も厳密で透明性の高い人材戦略ソリューションを提供しているからです。受検者のエンゲージメントは重要で大切ですが、決してエクスペリエンスのために科学を犠牲にしてはなりません。我々は両方を達成しなければなりませんでした。つまり、科学性を弱めることなくエクスペリエンスを向上させることです。

改訂の前と後のデザインが等価であることを実証的に示し、OPQの基本的な、他の追随を許さない心理測定的機能が損なわれていないことを証明するために、我々はいくつかの研究を実施し、サンプル受検者に新デザインのOPQを受けてもらいました。結果は、改定後のデザインが改訂前のデザインと機能的に等価であることを示しています。

得点の等価性を支持するこの研究結果は次のことを意味しています。

reimagined OPQは科学とテクノロジーに橋を架けるものです。我々のテクノロジープラットフォーム上でインタラクティブな要素とモバイルファーストのデザインを使って、効率的でアクセスしやすくポジティブな受検者エクスペリエンスを提供します。職場におけるパーソナリティについて、心理測定的に頑健でエクサイティングな測定をします。この私の言葉をただ信じてください、と言っているのではありません。お客様の声を聴いてください。

『アセスメントテクノロジーにおいて、reimagined OPQは大きな飛躍です。改善されたインストラクションや簡便な項目形式、フィードバック画面によって、受検者にとってより魅力的なものになり、より短時間で回答できます。この種のテストでは、OPQが最も優れた受検者エクスペリエンスを与えるツールです。』(Mark Whitehead氏 アデコ・グループ)

このプロジェクトは大きな仕事でした。そして、その努力のかいのある結果でした。とりわけ素晴らしいニュースは、SHLが今、ものすごい勢いでイノベーションを行っていることです!これは、我々のチームから出ている数十個のエクサイティングなソリューションの一つです。次に何が出るか、どうぞお見逃しなく!

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/how-the-best-got-better-reimagining-shls-flagship-product-the-opq/

筆者のGerianne De KlerkはSHLのR&DチームのManaging Research Scientistです。このOPQ改訂の総責任者です。原文からはSHLがYouTubeに掲載したビデオクリップを見ることができます。楽しいですよ。

OPQ reimagined については本コラムの第286回でも取り上げました。日本のお客様の中でもグローバル版OPQ32をお使いの皆様は、すでにこの改訂の恩恵を受けられているはずです。新しいデザインはいかがでしょうか?ぜひ感想やコメントを御社担当のコンサルタントにお聞かせください。

2月にはグローバル版能力テストVerifyのインタラクティブ版日本語バージョンがデビューします。また、OPQ reimaginedに倣ってのグローバル版MQのデザイン改訂も行われる予定です。Gerianneが最後に書いているように、次々と新しいツールが出てきます。どうぞお楽しみに。

選抜プロセスにおける応募者との接し方を変更することが、貴社の将来の成功にとって不可欠です。

人材不足が世界中で拡大しています。世界の失業率は5%に低下しており、世界労働機関(ILO)による最新の『World Employment and Social Outlook(世界の雇用及び社会の見通し)』によればこの10年で最低レベルです。そして、現在の米国の失業率は50年ぶりの低水準です。これは労働者にとっては朗報ですが、雇用主にとっては厳しいものです。積極的に仕事を探している人が少なくなる一方、企業にはたくさんの空きポジションがあります。立場が変わり、応募者が選ぶ時代になりました。

応募者の豊富なデータを収集しながら、応募者にとっての経験を最適化することが重要です。それによって、企業はビジネス目標達成に必要な人材を獲得できます。6段階の選抜プロセスのうちの4つに焦点を当てて、より魅力的な応募経験を提供するための方策を考えます。

多くの場合、応募者が貴社と最初に接触するのは、オンラインの求人情報や職務説明、オンラインの会社レビューを通してです。この段階でのネガティブな第一印象は応募者にずっとつきまといます。すべてのプラットフォームを通して、明確で一貫性のある本物のブランドメッセージを作ることが重要です。職務役割の詳細に加えて、社風や企業理念、大切にするものが明確に述べられているようにしてください。それらが会社に対する応募者の見方を高め、選抜プロセス中の応募者のエンゲージメントを促進します。

貴社の社風や職務に関する現実的なプレビューにより、応募者は自分が合っているかどうかを吟味できます。これらのプレビューは、透明性が高く、チャンスと課題の両方を強調すべきです。この段階で、応募者は選抜プロセスの次に進むかどうかを判断します。また、好印象を応募者に与え、貴社特有の価値提案を共有する機会ともなります。

この段階で選抜プロセスから脱落する応募者は「良い脱落」です。適していないであろう人をアセスメント/面接/導入/トレーニングしないことで、会社は時間とお金の両方を節約したことになります。さらに、応募者は貴社に対する好印象を持ってプロセスを離れます。将来、他の人を推薦したり、貴社を再検討したりする可能性が高くなります。

選抜プロセスの次に進む応募者はよりコミットしているはずです。現実的なプレビューによって企業風土と職務をより深く理解したからです。

アセスメントで、応募者は自分の経験やスキル、能力、スタイルを示すことができます。アセスメントは応募者を惹き付ける機会としても使えます。アセスメントの内容が職務に関連している場合、応募者は会社に対してポジティブな印象を持ちます。彼らは、インタラクティブで見た目に魅力的なアセスメントを、イノベイティブな会社であるしるしだと解釈します。モバイル機器によるアセスメントによって、会社は応募者の今いる場所で、すなわちスマートフォン上で応募者と会うことができます。テクノロジーに対する会社のコミットメントを示すことにもなります。 

面接は、多くの場合、応募者が会社とじかに接する最初の場です。関係を作り出すこともあれば壊すこともあります。面接プロセスが貴社の人材戦略に沿っていることが重要です。

応募者と「会って挨拶する」程度の面接はほとんど価値がありません。職務や貴社についてはっきりしないメッセージを提供するだけです。さらに、非常に有用もしくは信頼できる意思決定情報を生み出しません。「会って挨拶する」では、応募者の豊富なデータを収集したり貴社を応募者に売り込んだりする機会を逃します。

高度に構造化された面接は優れた応募者データを収集しますが、面接される側にとっては構造的すぎて厳しいものになる可能性があります。さらに、この種の面接は貴社の風土についての見識を与えません。応募者が貴社との関係を築くことなく離れてしまうこともよくあります。

応募者を中心においた面接は、選抜決定に必要なあらゆるデータを収集しながらも、応募者にとって魅力的な経験を作り出します。面接の質問は一貫して仕事に関連していて、かつ、応募者が貴社のその職務で働いている自分をイメージする助けになるものです。面接を行うときは、応募者を惹き付けることを念頭においてください。それによって、応募者との本物の、意図をもった会話が促されます。また、貴社の風土を伝え、貴社で働くことにわくわくした気持ちを生み出します。

応募者を惹き付けるというレンズを通して選抜プロセスの各ステップを見れば、貴社が正しい決定を下すために必要なデータを取得でき、また、応募者側も貴社で働くことについて正しい決定を下すことができます。 

原文はこちらです。
https://www.shl.com/en/blog/4-areas-of-focus-to-boost-your-candidate-attraction-efforts/

筆者のRob ShepardはSHLのシニア・タレントソリューション・コンサルタントです。

SHLグループは、新商品Verify Interactiveの発表に加え、OPQやMQの画面デザインを大きく改訂しました。これらに共通する目的は「candidate experience、すなわち受検経験の向上」です。世界的な人材不足がその背景にあるのですね。

日本における新卒採用もますます「売り手市場」と言われる環境になってきました。その中で、どう応募者や内定者を魅了し続けられるか、人事の課題に参考になればと思い、2020年の最初のテーマにこの記事を取り上げた次第です。本年も引き続きこのコーナーをよろしくお願い致します。