このシリーズの第1回と第2回では、DEI 施策がなぜ失敗することが多いかと、成功のために、人とプロセスが重要な役割を果たすことについて説明しました。連載の最後となる今回は、人事プロセスにおける客観性を高め、DEI 施策を強化するうえでテクノロジーがどのような役割を果たすかについて説明します。
採用における偏見(バイアス)の削減と多様な候補者プールの形成
人材の獲得に関して言えば、採用担当者は燃え尽き症候群になる寸前です。しかし、マネジャーが職務に適した人材を見つけるのに苦労していれば、危機を収めなくてはなりません。多くの場合、候補者が次のステップへ進むか進まないかの最初のスクリーニングは応募用紙や履歴書のみで行います。履歴書は候補者について最も予測力がない情報源であることが広く受け入れられているにもかかわらず、です。市場で最高かつ最も多様な人材を選抜する上で、出だしから間違っているとしか言いようがありません!
候補者の観点から見ると、COVID-19 の発生以来、雇用環境は大幅に変化し、現在、より多くの人々が永続的なリモートワークの機会を求めており、より多くの企業が柔軟な勤務形態を提供しています。このことは組織にとって技術面や物流面の課題を生じさせます。しかし同時に、場所のバイアスを取り除くことは、組織が多様な人材プールに手を伸ばし、多様な人材の採用を最大化するチャンスでもあります。
採用プロセスに適切な人事テクノロジーを導入することで、採用担当者の負担と候補者経験の両方にうまく対処できます。
第一に、心理測定評価、リアリスティックジョブプレビュー、ビデオ面接など、仕事に関連する手段を組み込んだプラットフォームを使用することです。採用担当者は、候補者について履歴書や応募用紙をはるかに超えた、仕事に関わる予測情報を収集することができます。採用担当者は並列のデータを収集することで、候補者を同じ基準で比較することができます。
標準化されたリポートと候補者ダッシュボードによって、採用担当者の「正確で公正な決定を行っている」という自信を高め、彼らがより多くより迅速に意思決定し、ストレスを軽減することができます。重要なことは、このようなプロセスを行うことで、組織は履歴書の品質のばらつきや履歴書のバイアス (採用の意思決定を行う人が、ある職務に自然に結びつかない候補者を無意識に排除するという広く知られた現象)などの問題を解消するのに役立ちます。
第二に、組織がより幅広く多様な候補者プールから採用するとき、テクノロジーは候補者を教育し、エンゲージメントを高めることができます。これは候補者から仕事に関する情報をさらに引き出し、辞退者を最小限に抑えるのに役立ちます。通常、私たちは候補者経験について時系列であると考えています。つまり候補者は応募する前に組織と募集されている職務について調べると思っています。実際には、ほとんどの候補者は多くの職務に応募し、選考プロセスを通して組織と職務について学びます。インタラクティブな候補者プラットフォームを使用すれば、組織や役割、仕事内容に関する短い情報を提供することで、多くの候補者を教育することが可能です。
また、インタラクティブなコンテンツは、候補者に構造化され標準化された方法(たとえば、短いアセスメント、ビデオ面接など)で自分自身について回答することを求めます。候補者にとっては、自分の好きな時間にその役割について学ぶことができ、組織に良い印象を与えるために最善を尽くすことができるので、エンゲージメントが高まります。同時に、採用担当者に対して、候補者についての仕事に関わる情報を提供します。
タレントマネジメントにおける正確性、客観性、可視性の向上
多くの人事チームは、従業員のレビューや後継者育成計画、能力開発計画を実行する際に、依然として表計算ソフトとスライド資料集に依存しています。これは人材ダッシュボードの作成と複数あるデータセットの統合を手動で行うことを意味します。これでは、結局人材に関する問いにリアルタイムで答えることがほとんどできず、組織内の人材をうまく把握することができず、常に古い情報を参照することになります。適切なツールがないと、熟練した人事ビジネスパートナーであってもデータ収集とプロジェクト管理に終始し、ビジネスリーダーとともにデータを使用して知見を見出したり、実行可能な戦略を作成したりすることができません。
現在の従業員を理解することは、組織にとって非常に重要であると同時に、多くの場合非常に困難です。各従業員の心理測定データを収集し、個人と集団の観点からデータを分析する機能をもつプラットフォームがあれば、現在の従業員についてより深く理解することができます。組織的、職種的な観点や地域的な観点から強みと弱みを理解することで、大規模なトレーニングと能力開発について、情報に基づいた戦略的な決定を下すことができます。チームと個人のデータを利用することで、小規模な能力開発プログラムについてもより多くの情報に基づいて決定することができ、個々人の能力開発ニーズに即した機会を提供することができます。
適切な人事テクノロジーを活用することで、客観的なデータを使用してリアルタイムに知見を得ることが可能になり、能力開発を促し、人材マネジメントに関わる重要な決定を助けます。
重要なリーダーシップ職に求められる特定のコンテクスト(文脈)と心理測定データを組み合わせたダッシュボードによって、リーダー候補者についてより深く理解することが可能です。そこから、ポテンシャルが高い候補者に必要なリーダーシップ経験や能力開発計画を定義することができ、より良い後継者育成計画を作成できます。最終的に、適切なテクノロジーによって組織内に多様なリーダーが増え、重要な職務の候補者として挙がっていないけれども、成功に必要な能力やポテンシャル、そして必要な経験を持っている隠れた宝石を発見することができるようになります。
要約すると適切なテクノロジーは、候補者とリーダーシップパイプラインの多様性を最大化するのを助け、最終的にはDEI 施策が目指す真の変化を起こす可能性を秘めています。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/how-technology-can-make-a-real-change-in-dei-efforts/
SHLグループのTalent Centralはインタラクティブなプラットフォームです。 こちらのページから、受検者画面やダッシュボードのイメージをつかむことができます。
2021 年 2 月 23 日 エリン・クラスク
前回はDEI施策がなぜ失敗するか、成功するために「人」が重要であることをお伝えしました。今回は、人材ライフサイクル全体にわたって標準的な「プロセス」を持つことが、多様でインクルーシブな職場を作る土台を築き、DEI施策を持続させることにどのように貢献するかを解説します。
人材ライフサイクルについて、標準化された、もしくは一貫した強固なプロセスを持たないことは、DEI 施策の成功に対して大きな障壁となります。採用担当者と配属先マネジャーの相互理解がないと、本来は合格するはずの候補者が一貫性なく、不正確にスクリーニングされてしまいます。
インタビューが標準化されていないと、選抜の決定にバイアスが入り込む可能性があります。オンボーディングに一貫性がないと、エンゲージメントは変化しやすくなり、離職率が高まります。サクセッションプラン(後継者育成計画)における客観的なデータの欠如は、昇進において体系的な不平等の悪循環を生み出します……このリストはさらに続きます。
インクルーシブな人材戦略を立案するためのチェックリスト
標準的な DEI 施策を人材ライフサイクルの各段階に組み込み、定着させる必要があります。現状を把握するには、以下の各段階のチェックリストを参照してください。
読み進めながら、次の点を確認してください。この領域における組織の戦略を明確に説明できますか?この戦略は、どのように多様でインクルーシブな文化を促しますか?この戦略は組織全体で一貫して実行されていますか? そして最も重要な点として、最前線のリーダーはこの戦略を明確に説明できますか?
- 採用: 多様な人材プールから候補者を調達し、応募するように惹き付けます。
- 従業員の選抜: その役割で成功する可能性が最も高い候補者を客観的に特定すると同時に、魅力的な候補者体験を提供します。
- オンボーディング: 新入社員が戦力化するために必要なツール、リソース、トレーニング、時間、チャンスを提供します。
- エンゲージメントとリテンション(定着化): 成功の条件を明確にして必要なリソースを提供したり、インクルーシブで支援を惜しまない文化を育くんだり、強力なリーダーシップスキルを育成したり、キャリアアップのチャンスを提供したりします。
- 能力開発: OJTやトレーニング、他者からの学びを通じて、スキルと能力を身につける機会と手段を提供します。
- パフォーマンス管理: 各自に自分の目標とパフォーマンスのレベルを理解させ、定期的にフィードバックをします。
- 人材レビューとサクセッションプラン: 組織内の人材について現状を評価し、より高いレベルの職務を担う意欲とポテンシャルを持つ優秀な人材を特定します。
インクルーシブなプロセスを構築するためのステップ
あなたの組織が標準プロセスをまだ持っていない場合は、以下の基本的なステップから始めてください。
- 各職務または職務グループ毎に、成功するために必要な責任と能力を示した正確なジョブディスクリプション(職務記述書)を作成します。
- 人材を育成し、多様な人材を継続的に調達するチャンスを提供するために、すべての求人情報を社内外に掲載します。
- 多様な候補者プールを確保するために必要な時間と労力を費やし、目的的な調達をします。
- 標準化された構造化面接ガイドを組織全体で一貫して使用します。
- 面接を担当するマネジャーに、客観性を確保するためのトレーニングを義務付け、採用プロセスにおいて偏見(バイアス)を避ける方法を教えます。
- 組織全体にわたるコンピテンシーモデルを活用して、ビジネスと人材の戦略を一貫したものにし、人材について話し合う際の共通言語を提供します。
- 学習や能力開発の取り組みを活用し、DEI施策を教え強化するための土台を作ります。
- 個人に対する金銭的なインセンティブをインクルーシブな職場の指標に結びつけます。
- エンゲージメントやその他の組織調査に、インクルーシブな職場づくりに関わる項目を含めます。
- 取締役会がある場合は、取締役会の構成が、従業員の集団と、サービスを提供している集団の多様性を反映するようにします。
インクルーシブな人材戦略がうまくいっていない場合の対処法
すでに標準的なプロセスをもっているにもかかわらず、効果が得られていない場合は、以下の点を確認してください。
- 標準プロセスは組織全体で一貫して行われていますか?何故行われていないのでしょうか?
- すべての人事業務に DEI 施策が組み込まれていますか?
- 人材の意思決定と能力開発の取り組みに、どのような客観的なデータ (アセスメントなど) を組み込んでいますか?
- DEI に関して、どのようなゴールや期待を表明していますか?リーダーにはどのような責任があるのでしょうか?
標準的な人事プロセスは客観性と公平性を改善し、多様性を高めます。多様性はDEIの第一歩ですが、インクルージョンの文化がなければ失敗します。多様性のある組織にするためには、組織内の誰もが歓迎されている、耳を傾けられている、と感じなければなりません。
そのためにまずできることは、例えば、ある共通の特性や経験をもつ従業員グループを作ること、文化的な違いを会社として祝う機会を設けること(黒人歴史月間やプライド月間など)、DEIへのコミットメントを会社の声明として出すことなどです。
しかし、それだけにとどまりません。真の成功は、組織の文化と環境が変化することです。多様な意見、視点、アイデアが尊重される雰囲気はありますか?そのような雰囲気を作り、インクルージョンを促すためには、以下の点を考慮するとよいでしょう。
- リーダーは、多様でインクルーシブな労働力を持つことに戦略的な利益があると信じていますか?
- 従業員へのインセンティブは、多様でインクルーシブな労働力を持つことを強化していますか?それとも弱めていますか?
- どのように進捗状況を測定し、多様な従業員の意見を集めますか? (例:エンゲージメントサーベイ)
- リーダーはどのように見えますか?誰もが「(リーダーの中に)自分のキャリアパスを示してくれるような人がいる」と思えるようになっていますか?
- DEIについて社外、社内にどのようなメッセージを伝えていますか?メッセージを実行していますか?
多様性のすべての側面が重視され、尊重され、活用される文化を醸成することは、多様な人材を保持するために重要です。文化の変化を促すようなDEI 戦略の最初のステップは、前回お伝えしたように、リーダーを関与させ、組織全体のDEI推進者のネットワークを活性化することです。
次に、今回お話しした、一貫した標準的なプロセスによって、この活動を勢いづけ、従業員が努力を続けやすくなるようサポートします。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/how-to-make-real-change-with-your-dei-efforts/
当社のアセスメントサービスをご利用いただいている方にとっては、採用や選抜において標準的なプロセスを作るというのは、馴染みのあるアプローチだったのではないでしょうか。次回はDEI推進のために「テクノロジー」をどのように活用するかについて取り上げます。
2021年2月16日 エリン・クラスク
ダイバーシティとインクルージョンが失敗する理由
組織は何十年にもわたって多様性、公平性、包括性(DEI)の施策に焦点を当ててきましたが、調査によると、ほとんどのDEIの施策は組織に持続的な影響と変化をもたらすことができていません。なぜでしょうか?
偏見(バイアス)は全ての人にあります。私たちは自然に自分と共通項が多い人々に引き寄せられ(親和性バイアス)、自分がすでに信じていることを確かめる情報を求め(確証バイアス)、毎日様々なバイアスの影響を受けています。
あなたは、おそらく自分自身やあなたのチームのマネージャーを「良いリーダーである」と言うでしょう。彼らは一生懸命働き、真に自分の部下を気遣い、他者の成長を助けます。しかし、バイアスは無意識のうちに私たちの日常の意思決定に滑り込みます。私たちは全員、優れたマネージャーも含め、「自分自身に近い要素をもつ」人、または「自分たちの文化に適合できる」人を選び、その人により多くの能力開発の機会を与えてしまう可能性があります。
バイアスは、選抜と能力開発の両方に影響します。採用時に多様性が確保されていなければ、昇進のために必要な経験を積むことができる人の多様性はさらに損なわれます。体系的なバイアスの悪循環に陥り、組織はDEIを推進することができなくなります。
では、人種、性別、宗教、国籍、障害、性的嗜好、年齢、階級に関係なく、すべての人々に公平な機会をもたらす文化を醸成するために、何ができるでしょうか。真に変化をもたらすためには、人、プロセス、テクノロジーの3領域から総合的にアプローチすることが必要です。この後3回にわたって、この3領域が重要である理由と行動するための実際的な戦略を解説します。
ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの定義
各領域の解説に入る前に、このブログ連載におけるダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンの定義を確認しましょう。
- ダイバーシティ(多様性):その人自身をユニークにする特徴。DEI施策は、組織がサービスを提供する集団の多様性を、職場に反映することを目指しています。
- エクイティ(公平性):公平性とは、偏りがなく公正であることです。公平性と平等の違いは、平等はすべての人に同じリソースまたは機会を与えることに焦点を当て、公平性はすべての人に同じ結果に到達するために必要なリソースと機会を与えることに焦点を当てていることです。丘に植えられた木から2人がリンゴを収穫しているところを想像してみてください。両方の人に同じ高さのはしごを与えると、上り坂に立っている人はリンゴに手が届きますが、下り坂に立っている人は手が届きません。これは平等です。どちらの人も同じはしごを受け取りました。公平性は、下り坂に立っている人に長いはしごを与え、両方の人がリンゴに手が届くように必要なリソースと機会を与えます。
- インクルージョン(包括性):組織の方針や慣行すべてにおいて、組織内の人々が「意見を聞いてもらっている」と感じる職場を作ることです。組織内の人々に「すべての人々を気遣い、耳を傾け、配慮している組織で働いている」と感じさせることが、DEIの施策の最終目標であり、最も難しい部分です。
多様な労働力を持つことはできても、組織内の人々が「組織が人々の声に耳を傾けている、認められている」と感じていない場合があります。多様性は始まりにすぎません。それでは、組織を本当に変化させるために、最も重要な手段である「人」について考えてみましょう。
DEIプログラムを成功させる方法
DEIは、組織がサービスを提供する集団の多様性を反映する、採用や昇進だけに限りません。行動の根底にある無意識的な信念・態度・感情について、従業員全体の意識を高めることを指します。
従来のダイバーシティトレーニングは、苦情にどう対処するかに焦点を当てることが多く、問題に受動的に対処するにとどまり、体系的なバイアスの悪循環を正すことに積極的に取り組むには至っていません。
真の変化には、より深い文化的な変化が必要です。ダイバーシティ・プログラムを成功させるためには、チームメンバーによって自発的に展開されなければなりません。フランク・ドビン教授とアレクサンドラ・カレフ教授は、HBRの記事「ダイバーシティ・プログラムが失敗する理由」にて、DEI施策を成功させるには、「マネージャーを問題の解決に関与させ、さまざまなグループの人々と接するようにさせて、変化に対する社会的な説明責任を果たすよう促す必要がある」と述べています。
この方法は、参加者の当事者意識を高め、最終的には、参加者が自分の根底にある信念や行動について批判的に考える可能性を高めます。また、自発的な参加者は、リーダーや人事と共に、ダイバーシティに関するメッセージや戦略を定着・継続させるためのビジネスパートナーになります。
文化を変えるには、会話を変える必要があります。
DEI戦略は、人々に何を変えるべきかを伝えるだけでなく、行動の根底にある文化に焦点を当てなくてはなりません。以下のポイントに注力してトレーニングを行ってください。
- バイアスについての意識を高め、知識を十分に持つ
- 経験談を語ったり、インクルージョンのメリットを示したりすることを通じて、人々に変化したいという願望を持たせる
- 偏見を認識するように訓練し、行動を変えるための戦術を提供する
- 許されることと許されないことを明確に示す
- 同じメッセージや期待を組織の仕組みに織り込み、繰り返す(人事プロセス、戦略目標、測定基準、コンピテンシー、文化的信念、社是、ミッションステートメントなど)
- 誰もが自分の行動について責任をもって説明することができる安全なスペースを作る。チャレンジングな会話ができるような心理的に安全な環境を作る。そうした環境を用意するように求める。
特に大きくて複雑な、マトリックス化された、または地理的に分散した組織で働いている場合、DEI推進についてやるべきことをやり尽くして初めて、組織全体にメッセージが浸透します。頑張ってください。
また、DEI戦略の成功の鍵は、リーダーシップの関与であることを強く訴えたいと思います。経営幹部リーダーは、自分自身や他者に目標に対する責任を負わせて有言実行し、DEIを組織のビジネス目標に織り込み、戦略として多様性に積極的に取り組まなくてはなりません。たとえ困難な時期であっても、DEIに取り組む余裕ができるまで待っていてはいけません。なぜなら、その時は決して来ることはないからです。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/3-strategies-for-a-wholistic-approach-to-your-dei-efforts/
著者のエリン・クラスクは、SHLのソリューションスペシャライゼーションチームのマネージングコンサルタントです。第2回は「プロセス」、第3回は「テクノロジー」について解説をします。ご興味のある方はぜひ一足早くご覧ください。
「対話と発展のための文化的多様性の世界デー」(5月21日)を祝い、SHLローカライゼーションチームが出会った、びっくりするような文化的つまづきを共有します。
2021年5月20日 Avril Peryer
あなたにもこんな経験があるかもしれません。休暇で海外に出かけ、そこであなたの言語でメニューをもらいました。そして次の数分間、「Fried rolled up trousers」か「Chicken rude and unreasonable」のどちらか選択しようか、頭を悩ませることに。
このような翻訳の間違いは面白いですが、見方を変えれば、翻訳者の職業がいかに過小評価されているかも浮き彫りにしています。カクテルを飲みながら何を注文するかを決める際、「すごい、なんて良い翻訳だ」などと思うことはおそらくないでしょう。なぜならば、良い翻訳を読んでいるときは、そもそも翻訳されていることに気付かないものでしょうから!
翻訳するときは、元の資料の本当の意味を理解してから、それを別の言語で解釈して再創作し、最終物が言語的に正確で文化的に意味のあるものであることを確認しなければなりません。レストランでの問題ある翻訳はせいぜい面白い逸話ですが、アセスメントのコンテンツに関しては、翻訳に誤りがない必要があるため、SHLでは、翻訳者がアセスメントコンテンツを真に理解しているよう時間をかけています。これはローカライゼーションのプロセスで欠くことのできない部分であり、また、はっとさせられることが多い部分でもあります。
5月21日は、国連の「対話と発展のための文化的多様性の世界デー」です。私の長年にわたる翻訳者との対話の中でとてもびっくりしたことを明かす、ちょうどよい機会だと思います。
文化的ミスマッチのぴったりな例は、「de-icing cars(車の除氷)」に関する能力テスト項目です。アラビア語の翻訳者が、アラビア語の「de-ice」は非常に技術的な文脈でのみ使用されると指摘しました。つまり、この項目は、車についた氷を取り除くことが朝のルーチンのひとつである国よりも、中東の受検者にとって、はるかに難度の高い項目になるだろうことを意味します。
もうひとつの例は、24時間制の時計を12時間形式に変換するよう受検者に求める項目です。タイ語の翻訳者が、タイでは1日を午前と午後に分割する12時間制ではなく、1日を4分割すると説明しました。項目の手直しが必要だったことは言うまでもありません!
翻訳者を悩ませるものは文化的な違いだけではありません。単語の中には、単純に、他の言語には存在しないものがあります。私が自分の調査力を発揮して翻訳者のお手伝いをすることがよくあります。たとえば、「wallet-size photo(財布サイズの写真)」の正確な寸法、「undercoat(下地塗装)」と「primer(下塗り剤)」の違い(ドイツ語では両方に同じ単語が使用される)、「a brown bag meeting」で何が起きるか。最後の例はランチミーティングのことですが、私も質問してきた翻訳者と同じく知らなかったので、アメリカの同僚に頼んで説明してもらわなければなりませんでした。
最後の例が示すように、文化の違いが浮き彫りになるのは別の言語への翻訳に限ったことではありません。SHLはグローバルで多様性ある企業です。そのような環境で働くことで混乱させられることはありますが、それと同じくらい、学び合う機会となります。ロンドン本社を訪れたアメリカの同僚が、「I’d stop by your cubicle」と私に言いました。英国人らしく私は礼儀正しく同意しましたが、彼が少し後に私の机のところに現れるまで、彼が何を意味していたのかわかりませんでした。
最後に、文化的学びとして私が一番好きな思い出は、中国人の同僚のカレンダーに「Moon Cake Day」を見つけたときのことでした。彼女は、アジアでは月餅を食べて中秋節を祝うと説明しました。月餅とは、甘いものやおいしいものを詰めたパイの一種です。そのときから、毎年月餅を持ち込むのが彼女のならわしになりました。
言葉を超えていろいろな人と接することができる職務についていることを私はとても幸運に思っています。異文化から学ぶことの楽しさを皆様にわかっていただけたでしょうか。私たちのさまざまな背景が私たちをユニークなものにしているのであり、私たちの文化的多様性は祝われるべきです。今週は、時間をとって同僚の文化的背景についてもっと見つけてみませんか?
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/tales-from-localization/
著者のAvrilはUKのプロダクトローカライゼーションチームのメンバーです。UK商品の日本語版開発で連絡し合うので私もよく知っていますが、明るくて茶目っ気のある人。その人柄がこのブログにも表れているように思います。
海外の観光地で日本語パンフレットをもらい、つい、くすっと笑ってしまうこと、よくありますよね。私の経験では「パンダ」が「ペンダ」になっていたり、「ください。」が「くだちい」になっていたり。これは誤植の問題かもしれませんが、言葉を単に置き換えるだけでは意味が通じないことは多いです。
多言語アセスメントツールを提供するSHLグループでは、どの言語でも同等に公平に受検者の力を評価できるよう、さまざまな取り組みがなされています。
スキルとフィット(適合度)がIT人材採用に不可欠である理由、そして貴社応募者の非技術的スキルを最もうまく評価する方法を学びます。
2021年4月13日 サム・ホワイトマン
デジタルスキルは、テクノロジー企業やIT部門以外でも需要が高まっていることは明らかです。テクノロジーの分野において、必要な技術的スキルと戦略的洞察力を備えた人材を確保することは極めて重要です。ただし、他の仕事や役割と同様に、非技術的なスキルを持つことも重要です。それらは、職種や役割、業界を超えて求められるスキルです。
技術的スキルと非技術的スキルの適切な組み合わせを持っている候補者を惹きつけて採用することは容易ではありません。さらに、職種にフィットし、組織の価値観にフィットする候補者を選ぶ、となると、言うまでもありません。Gartner社の調査リポートによると、IT人材の惹きつけと採用は多くの企業にとって優先度が高いものの、成熟度はまだ低いようです。つまり、非常に重要であるにもかかわらず、多くの組織ではIT人材獲得機能がまだ完全に開発されておらず、優先順位に沿っていないのです。優秀なIT人材を惹きつける方法を知り、彼らを適切かつ客観的に評価し、選抜することが成功のためには不可欠です。
IT人材の採用は単なるハードスキル以上のものであり、その役割に適した人材を獲得することが大切です。
IT人材採用においてスキルとフィットが重要である理由
デジタル化はますます進んでいますが、今でも私たちが行うあらゆることの心臓部は人間です。必要なテクノロジーを購入して投資することはできますが、デジタルの未来は人間とその努力にかかっています。結局のところ、誰がデジタル変革を主導するのでしょうか…?人です!ロボットではありません。
ITプロジェクトを実行し成功させるには、さまざまな人材が協力する必要があります。技術的に熟練しているだけでなく、協力的で、コミュニケーションがとれ、創造的な人々が必要です。技術的に熟練した人を1つの部屋に集めても、お互いのアイデアに耳を傾ける能力をもたず、熱意や意欲を共有していなければ、うまくいきません。
Gartner社によるTop Priorities for IT: Leadership Vision for 2021報告書では、「テクノロジー、つまり分析やAI、ロボット工学の変革のスピードについていくためには、組織は単なる技術的なスキルセットではなくコンピテンシーに焦点を当てなければならない」と述べられています。グーグルのようなITの巨人もまた、優れたIT人材を形作るのはハードスキルだけではないことに同意しています。職務適性とは技術的スキルと非技術的スキルの両方が一緒になって形成されるものだからです。
では、なぜ非技術的スキルがそれほど重要なのでしょうか?その理由は次の3つです。
- スキルは教えることができますが、性格は教えることができません
誰かに新しいスキルを教えることはできますが、彼らの人となりを変えることは(ほとんどの場合)できません。あなたが、職務に対して適切なビジョンと理想的なパーソナリティを持っているが、特定のプログラミング言語の経験や技術的な背景が不足している候補者を見つけたら、まだ落とさないでください。技術的スキルや背景を持っていることの重要性を無視するわけではありませんが、多くの技術的スキルはOJTや研修を通じて開発できます。組織は、従業員の役割や職種に関係なく、彼らを育成し、スキルアップし、指導するメンターとして責任を持って行動する必要があります。
- IT人材の採用における失敗は費用がかさむ可能性があります
IT人材の採用における失敗の影響を過小評価しないでください。間違った人を雇うことは、チームの士気だけでなく、組織の製品ロードマップにも影響を与える可能性があります。個人としては頭が良いが、チームで動けない、変化に適応できない、またはやる気がない候補者が、高業績者になる可能性は低いです。
- 全体的なフィットが、パフォーマンスと生産性を向上させます
候補者のパーソナリティ、モチベーション、経験、スキルが役割に合っていれば、その人の仕事への満足感が高まります。最終的にはコミットメントと生産性につながります。自分のことを考えてみてください。あなたが候補者の立場になったとして、自分に合った仕事についた場合には、自分や自分ができることに合っていない仕事についた場合に比べて、最善を尽くそうという意欲が高まるでしょう。
次に、IT人材に求められる重要なコンピテンシーと、それらを評価する方法について詳しく説明します。
IT職に不可欠な10の非技術的スキル
- 高い品質水準に向けて尽力する――技術的蓄積や品質管理機能をどのくらい持つかに関係なく、求められます。
- 良好な人間関係を維持する――プロジェクトの成功は一人だけでできるものではないことを忘れないでください。ビジネスマネジャー、エンジニア、サイエンティストからサプライヤーに至るまで、常に複数の利害関係者が関わっています。他の人の話を聞き、お互いに信頼を築き、共通のゴールを達成するために協力する能力が、プロジェクトを成功させます。
- 批判的に評価する――問題を理解し、さまざまな角度や視点から問題を見て、さまざまなアイデアの間に論理的なつながりを作り出す能力に関連しています。
- 時間を効率的に使う――すべての仕事には共通点が1つあります。それは締め切りです。あなたがレストランで働いているかハイテク企業で働いているかは関係なく、時間内に何かを提供しなければなりません。IT職はプロジェクトに関わることが多いため、何にどのように優先順位を付けるかを知っており、納期に間に合うように効率的に作業できることは、IT人材にとって間違いなく重要な資質です。
- 変化に適応する――常にスムーズに進行するものなどありません。変化に迅速かつ落ち着いて適応する能力は、成功のために不可欠です。
- 新しいアイデアを生み出す――ITプロジェクトを進める際に混乱が生じることがあります。既存の枠組みにとらわれずに考え、創造的な解決策を提供できる人材は、どのような組織にとっても間違いなく重要です。
- 素早く決定する――何らかの形のリスクを伴う意思決定でさえ、時には迅速に行う必要があります。
- 情報を分析する――マネジャー、顧客、データ、サポートチケット、競合他社など、あらゆるところから情報が提供されます。注意を払い、検討し、行動の根拠とすべき重要な情報が何かを知っていることが欠かせません。
- 素早く学ぶ――最高のパフォーマンスを発揮するエンジニアリング組織はじっとしません。新しいテクノロジー、仕事の仕方、テクニックに適応し、取り入れなければなりません。学習のマインドセットを持つことが重要です。
- 達成に向けて努力する――厳しい目標を設定し、それらを達成または超えるために断固とした努力をすることが含まれます。
IT人材の非技術的スキルを最もうまく評価する方法
IT人材の採用に不可欠なコンピテンシーがわかったところで、次にそれらを適切に評価する方法を知る必要があります。候補者に関する正確で包括的な洞察を提供する、科学的に証明されたツールを使用すれば、最善かつ客観的な決定を下すことができます。具体的には、次のことから始めてください。
- 測定すべき基準のセットを作成します。IT人材の採用には、優秀人材の特定から多様性向上に至るまで、非常に多くの検討すべき事項と重要な要素があります。計画を立てるときは、候補者にどのような資質を求めるか、あなたが何を達成したいのかを考え、測定すべき基準をリストアップしてください。
- 技術的スキルの評価と非技術的スキルの評価を組み合わせます。1つのプログラミング言語でスキルを測定することは、高業績者を見つけるための方程式の一部ですが、すべてではありません。候補者をより適切に評価するためには、複数手法によるアセスメントを実施してください。コーディングインタビューなどの技術的スキル評価と、行動面、パーソナリティ、特定職務向けのアセスメントなどの非技術的スキル評価を組み合わせます。
- 幅広いアセスメントに対応するプラットフォームを選択します。1つのベンダーで複数のアセスメントを行うことで、コストを削減し、効率を高めることができます。さらに、データの比較も簡単です。データはあらゆるデジタルビジネスのコアであり、人やプロセスやテクノロジーを結び付けます。貴社の人材データのすべてを1つのプラットフォームにまとめることで、最適な採用決定を下すことができます。
技術的スキルだけでなく非技術的スキルも備えたIT人材を採用することが、成功のために重要です。候補者が高業績者になるかどうかをより適切に判断できるからです。複数のコンピテンシーについて候補者を評価することで、最高の従業員を採用できるでしょう。そのためには、複数手法によるアセスメントを行い、客観的で厳密な知見を提供する適切なツールを使用する必要があります。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/the-importance-of-evaluating-non-technical-skills-in-tech-talent-hiring/
筆者はSHLの採用ソリューションを率いているサム・ホワイトマンです。
以前ご紹介した記事でも、ハードスキルとソフトスキルの両方を見ることが重要である点が述べられておりましたが、ソフトスキルの重要性について、より詳しく解説した記事です。
我々R&Dチームの2020年優先課題のひとつは、SHL Directで新しい登録フォームを作成することでした。それが、ニューロダイバースな受検者のアセスメント体験を我々が理解することにどう役立つか、ご覧ください。
2021年4月21日 クリスティン・アレン
今月初旬、私は、産業組織心理学会の2021年年次大会で「既存の枠にとらわれず考える:ニューロダイバースな人々の雇用を改善する産業組織心理学」というタイトルのセッションの共同議長を務めました。このセッションは、さまざまな視点を持つ産業組織心理学者のグループが集まり、ニューロダイバースな人々の雇用に関連する応用研究に焦点を当て、産業組織心理学者が障害者雇用の様相を変えるために何ができるかについての意識を高めるものでした。
この分野の研究に専念する同僚に(バーチャルで)囲まれて座っていて、明らかになったことがひとつあります。業界をリードするアセスメントプロバイダーとして、SHLにはこの分野の応用研究を促進するまたとない機会があることです。 セッションにはSHLの研究リーダーであるサラ・グティエレスも参加し、インクルーシィブな採用がSHLビジネスの優先事項である理由について詳しく説明し、私たちの現在の研究プロジェクトのいくつかの例を示し、研究アジェンダの概要を述べました。
私たちには、私たちの顧客、その受検者、および仲間の産業組織心理学者に対して、この研究を優先課題とする責任があり、私たちはその責任を決して軽視していません。 私たちが2019年にニューロダイバーシティ研究プログラムを開始して以来、ダイバーシティとインクルージョンというこの重要分野でSHLが何をしているのかについてもっと知りたい、と興味を持った同僚(SHL社内外の両方)や顧客、研究者から定期的に連絡があります。4月は自閉症受容月間です。そこで、この機会に、SHLのニューロダイバーシティ研究プログラムの現在のプロジェクトのいくつかに焦点を当てたいと思います。
2020年の私たちの研究優先事項の1つは、SHL Directで新しい登録フォームを作成することでした。SHL Directは、求職者が採用プロセスの一部として自分が受けることになるテストの種類に慣れるための、模擬テストのサイトです。新しい登録フォームは、模擬テストを開始する前に、受検者がオプションで、自分の障害について開示することができます。この情報を収集することで、私たちは、本人が開示した障害の状態とさまざまなタイプのアセスメント体験との関係についてさらに学ぶことができます。 2020年には何千人もの参加者がこの登録フォームを使って、Verify(知的能力テスト)を受検しました。
まだサンプルの数が少ないため予備的な分析ではありますが、結果は、模擬テスト受検に際して自閉症であると自己開示した受検者は、そうでない受検者と比べて、同様な得点を獲得し、知的能力テスト3科目全体で「自分の能力を最大限に発揮できた」と同様な感想を述べています。これらは、Verifyテストがこの人材プールの公正なアセスメントである、という証拠を示す有望な初期結果です。もちろん、さらなる研究が必要です。
この研究は現在も進行中であり、2021年には他のさまざまな種類のアセスメントで実施されます。十分な自己開示データが利用可能になり次第、他の障害(失読症、統合運動障害など)を含むよう拡大する予定です。また、関心のある顧客は、この登録フォームを使用して、採用アセスメントプロセスの一部として、研究目的で障害を開示するオプションを候補者に提供することができます。
次のプロジェクトでは、自閉症の診断を受けた職業人(現職者および求職者)の受検体験と反応をよりよく理解できるように、その人たちと連携することを目指しています。この調査研究計画の目的は次のとおりです。
- ニューロダイバースな人材プールによって、様々な特定アセスメントに対する受検者の反応を掘り下げる。
- アセスメントの種類や、受検に関して特別な措置が必要かどうかとの関連で、受検者が自分の障害を自ら開示したいと思うかどうかを掘り下げる。
- さまざまなアセスメントタイプの嗜好を掘り下げる
女性や外国人などを積極的に社員集団に加えることがビジネスメリットになるというダイバーシティの概念は、日本でもかなり浸透してきました。「ニューロダイバーシティ」という言葉はいかがでしょうか?
日本語にすると「神経学的な多様性」。自閉症や多動性、失語症などの神経疾患を、病気や障害ではなく、脳の違い、すなわち個性であり才能であると見る考え方です。海外の、特にIT企業では、そういう人たちの才能を積極的に生かそうという取り組みが進んでいます。ご興味のある方は、公表されているSAPやHPEなどの成功事例をぜひご確認ください。
リーダーが絶えず変化する世界により機敏に対処するために、コンテクスト(文脈)の力がどのように役立つか
2021年3月10日 ジョン・カーベン
過去10年間で、世界は大きく変化してきました。私たちの生活だけでなく、アセスメント業界においても同様です。
多くの組織が再編され、ほとんどすべての職務が進化してきました。ガートナー社の人事優先課題についての調査リポートによれば、今後2~3年で、私たちの90%が現在の職務において新しいスキルを開発する必要があり、組織の83%で新しい職務が作られ、79%でなくなる職務があります。また、調査対象の組織のほぼ半数(44%)がリストラを計画しています。
ガートナー社は、2021年の人事課題の上位2つを挙げています。
- 重要なスキルとコンピテンシーの構築(68%)、および
- 組織のデザインと変化のマネジメント(46%)、です。
これらの課題に対処するには、従業員の成長とモビリティ(流動性)が欠かせません。従業員の成長とモビリティを可能にし、推進する能力を持ったリーダーの人材ベンチを構築する必要があります。
コンテクストが、リーダーのモビリティを成功させる鍵です
リーダーの人材ベンチを充実させることを目指す多くの人々にとって、能力開発とモビリティが焦点となっていますが、そこには問題があります。リーダーの配置転換はその多くが成功しないのです。この問題を調査したところ、リーダーのほぼ半数(46%)が、新しい職務で最初の6か月間に目標を達成できなかったことがわかりました。
リーダーの配置について正しい決定を下すには、時間がかかります。しかし刻々と変化する職場環境では、時間的な余裕はありません。ハイポテンシャル人材の特定、戦略に沿ったリーダー育成、および後継者育成計画は、レベルの違う人事課題であり、すべて異なる知見が必要です。そして、それらの知見を得るには、多くの場合、参照すべきデータ群もそれぞれ異なります。
モビリティの重要性が増すにつれて、我々は、最も正確な意思決定を行うために必要な知見とは何かを明らかにしようと考えました。約9000人のグローバルリーダーを対象に、彼らを成功させるものは何かを特定すべく調査を行いました。結論は、コンテクスト(文脈)です。
職務コンテクストに非常に適合しているリーダーは、高業績者である可能性が4倍高いことがわかりました。言い換えれば、ある職務のコンテクストについてより具体的にすることができるほど、適合度の高い候補者を見つける可能性が高くなります。
より広範なコンピテンシーベースのアプローチも重要です。コンピテンシーは、潜在的なリーダー(つまり、リーダーになる能力、意欲、熱意を持っている人)を特定する際の最良の方法です。ただし、戦略との一致や能力開発、継承、選抜決定を行う必要がある場合は、コンテクストが最も重要です。
リーダーの人材ベンチを流動化することは、複数のメリットをもたらします
適切なリーダーを見つけることが業績にプラスの影響を与えることは明らかですが、リーダーの配置を正しく行うことのメリットはそれだけではありません。我々は、9000人のリーダーに対する調査から、以下の点を導き出しました。
- リーダーシップの多様性の向上
重要なリーダー職のコンテクストに適した候補者のうち、58%が女性であることがわかりました。 - 人事効率の向上
どのコンテクストでも社内人材の30%が成功する可能性があり、よって、外部採用よりも社内登用のほうがはるかにあり得ることがわかりました。結果として、採用コストが削減され、生産性を最大化するまでの時間が短縮されます。 - リーダーのエンゲージメントの向上
コンテクストに対して適合度の高いリーダーは、低いリーダーよりも、エンゲージメントが82%高いです。
戦術的・短期的なリーダーシップモビリティと戦略的・長期的なリーダーシップモビリティは、それぞれに異なる知見が必要です。幅広いコンピテンシーアプローチから、より具体的なコンテクストアプローチまで多岐にわたります。
原文はこちら。https://www.shl.com/en/blog/talent-mobility-has-become-essential-in-2021/
筆者はSHLのシニアプロダクトマネージャーです。コンピテンシーとコンテクスト、それぞれの使用場面がよくわかる記事でした。コンテクストへの適合度については、パーソナリティと経験によって確認するMobilizeという商品があります。以前にもコラムでご紹介しているLeader Edgeを発展させたものです。(残念ながら日本語版はまだありません。)
HBO(*米国大手テレビ放送局)のドキュメンタリーが放映された後、パーソナリティ検査が脚光を浴びています。採用用パーソナリティ検査についての私たちの考えを読んでください。
2021年3月5日 イーファ・トーピー
ドラマが嫌いな人なんているのだろうか? 特に、このコロナウィルス禍、皆が実際の生活の中でドラマに飢えている時に。これが、パーソナリティ検査に関するHBOの最近の放送を見た後、私が感じたことです。このドキュメンタリーは、マイヤーズ・ブリッグス・タイプ・インディケーター(MBTI)を主に取り上げていますが、世界中の組織で使われているパーソナリティ検査全般に不満を投げかけています。気持ちを高ぶらせるものでした。人生の流れを変える可能性のあるものはすべて感情的なもの、それが私が番組から受けた姿勢とメッセージでした。より大きな真実を見つけるために、そのメッセージを掘り下げる価値があると私は感じています。
私は秘密にしません。私は、心理測定アセスメントの世界有数のプロバイダーの1つであるSHLで働いています。私たちがもつパーソナリティ検査は、主力製品の1つであるOccupational Personality Questionnaire(OPQ)です。このドキュメンタリーは私にとって真髄に迫るものであり、私はこの機会を利用して、何が事実で何がフィクションなのかについての私の考えのいくつかを共有したいと思います。
パーソナリティ検査はどれくらい信頼できるものなのか?
アセスメントは誤用される可能性があります。それは事実です。私たちの市場である人材アセスメント市場は、ほとんど規制されていません。それも事実です。何年にもわたる科学と厳密さに裏打ちされたアセスメントやアセスメントプロバイダーがある一方、その一部に見えてもほとんど根拠のないものもあります。それももうひとつの事実です。最大の問題は、外見が同じように見えるそのふたつをはっきりと分けることです。
職場におけるパーソナリティ検査の使用は、正当で非常に価値があると私は思いますが、この世界の多くのものと同様、それはあなたが検査をどのように使用し、検査結果の情報をどのように扱うかによります。詳しく見ていきましょう。
採用決定のためのパーソナリティ検査の使い方
#1――すべてのパーソナリティ検査が同じではないことを理解する
パーソナリティ検査には、タイプに基づくものと特性に基づくものがある-これがまず明確にする価値のあるポイントです。何年にもわたる科学と心理学文献は、タイプベースのアセスメントは人のパーソナリティを理解する上での役割を果たすけれども、選抜や採用の意思決定を行うために使用されるべきではない、という事実を立証しています。MBTIは分類するとタイプベースのアセスメントです。逆に、特性ベースのアセスメントは、職場行動の信頼できる妥当な予測因子であることが証明されており、選抜決定を支援するために使用できます。
#2――複数手法アプローチを使用する
選抜の意思決定を支援することがアセスメントの主目的である-これが次に私が指摘したいポイントです。正しく使用されればパーソナリティ検査は、特に採用において、コンピテンシー面接など他の選抜手法と一緒に使うなど、複数手法によるアセスメントのひとつとなります。理想的には、その職務で成功するために重要な能力を特定することから始め、次にそれらを測定するための複数手法プロセスを設計します。そのプロセスは、ほとんどの場合、特性ベースのパーソナリティ検査によって強化されると私は思います。
#3――適切なアセスメントとプロセスを選択する
パーソナイティのアセスメントは、科学によって進められ支えられるべきです。残念ながら、そうではなく、勝ち残ったパーソナリティ検査が見た目はすごくクリエィティブだが中身のほとんどないものであることも多いものです。人材アセスメントにおける最高のプロバイダーは、長年の研究を蓄積して、パーソナリティデータがより良い人材意思決定に与える実証的な影響を明らかにしてきています。最高のプロバイダーはまた、パーソナリティ検査がマイノリティグループに不当に不利益を与えないよう、アドバースインパクトを注意深くモニターしています。疑わしい場合は、そういう研究結果を示すよう依頼してください。つまり、適切なアセスメントとアセスメントパートナーを選択することが非常に重要であり、貴社に大きな違いをもたらします。
#4――貴社の目標と参加者の目標を合わせる
パーソナリティの適合性のアセスメントは双方向です。パーソナリティ検査の使用は、組織が職務や組織背景に最も適した人々を特定するのに役立つだけでなく、個人が自分の好みや強みの領域に自然に一致する職務に配置されるのにも役立つはずです。概して、この一致が達成できれば、人は自分の仕事においてより幸せになり、より効果的に貢献し、より積極的になり、より定着するでしょう。すべての関係者にとってメリットのある結果です。
#5――適切なフィードバックを提供する
受検者の体験が鍵です。パーソナリティ検査に回答したとは、その人が時間を投資した、ということです。有意義かつ正確な、そして、仕事場面におけるその人の自然な行動の好みや傾向に関する自己認識を構築することを助けるようなフィードバックで報われるべきです。最高のパーソナリティ検査の中には、魅力的でパーソナライズされたビデオによってフィードバックが提供されるものがあります。
私から最後にもう一言。私はこれまでブログを書いたことがありません。しかし、このドキュメンタリーが一部始終を語っていないという気持ちから、矢も楯もたまらず書いています。これは私のパーソナリティについて何を示しているのでしょうか?実は多くのことを示しているのかもしれません。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/uncovering-the-truth-about-personality-test-for-hiring/
筆者はSHLのUK&Iビジネスの戦略的アカウントディレクターです。
このブログで取り上げられているHBOの放送番組Persona、あいにく日本にいる私は知りませんでしたが、ネットを色々調べたところ、YouTubeで番組の予告宣伝クリップを見つけました。パーソナリティ検査が差別につながる可能性を強調しているようです。予告編は2分半くらいですので、ご興味のある方はご覧になってみてください。
訳者自身、人材アセスメント業界に長く関わっていますが、心理検査はある意味、薬と同じだと思っています。薬は誤って使われれば毒にもなりえます。検査の限界を認識したうえで、情報のひとつとして人材マネジメントにご活用いただきたいです。特に採用場面では受検者に関する情報が少ない中、パーソナリティ検査をうまく使ってその人の全体像に迫る努力は欠かせません。
優秀なIT人材とはどんな人材なのか、採用における課題とそれを解決するためのヒントをご紹介します。
2021年1月19日 アレクサンダー・ラッツェル
パンデミックは、私たちの生活、交流、働き方に影響を与えただけではありません。歴史上最大のデジタルトランスフォーメーションを促進するものでもありました。リモートワークが新たなスタンダードになり、パンデミック以前のレベルに戻る可能性は低いでしょう。店舗は長い間閉まったままで、さまざまな商品についてオンラインショッピングが増えています。Eコマースは世界で16.5%、中央および東ヨーロッパで21.5%、 ドイツで10.3%、と急上昇しました。デジタル化の必要性とスピードが高まった結果、組織のIT予算と技術投資は、世界全体で29%という前例のない割合まで押し上げられました。
IT人材の採用における課題
どこで採用・配置するかによって、2つのシナリオが想定されます。
- 候補者が少ない――その地域でのIT人材が不足している、雇用主があまり知られていない、場所や予算の問題など、様々な要因があります。
- 候補者が過剰――IT人材(スキルレベルはさまざま)、強力な採用ブランドやEVP(従業員へ提供できる価値)を持つ雇用主(Google、Amazon、または有名なB2Cビジネスや消費者ブランドなど)、望ましい場所、評判、大きな予算、などが溢れる市場で見られます。
しかし、どちらのシナリオであっても、最高のIT人材を採用するために鍵となる要因は同じです。
- 検証された包括的で一貫した基準を使用して、優秀な人材を定義し、基準に照らして候補者を評価すること
- 多様性と募集する場所を増やして、優秀なIT人材の候補者集団を増やすこと
- 魅力的な候補者体験を提供し、候補者があなたの採用プロセスに興味を持ち、没入できるようにすること
- 可能な限り多くのプロセスを自動化し、バイアスを取り除き、より良い意思決定を行い、競合他社よりも速く採用通知を出すこと
これらを実現する方法を詳しく見てみましょう。
優れたIT人材を採用する方法
#1――優れたIT人材とは
優れたIT人材の基準のうち、最初に登場するのは、もちろん、プログラミングや開発スキルなどのハードスキルです。ビジネスのデジタル化に必要なプログラムとコードをうまく書くことができるかどうかを判断できます。次に登場する基準は別の要素です。よりデジタル化した世界において継続的な成功を可能にするコンピテンシーやソフトスキルです。下の図はそのような基準の例です。
さらに、他者をリードしマネジメントするIT人材を求めている場合には、リーダーシップポテンシャルや組織の価値観との整合性が重要な基準になる可能性があります。
成功を決定するのは、ハードスキルとソフトスキルの適切な組み合わせです。
#2――多様性と募集先を増やす
最高の人材を見つけるには、#1で確認した基準に適合し得る幅広い人材が応募できるようにする必要があります。デジタルな応募方法を採用すると、応募しやすくなるでしょう。さらに、フォーマルな資格や要件にあまり焦点を当てず、ただ「適切な学歴」とすれば、応募する人材が増えます。その後、基準に照らして評価をすればよいのです。
#3――候補者を惹きつける
良い候補者経験が応募プロセスで重要な理由は、山ほどあります。嫌な候補者経験や長くて不格好な選抜プロセスのために優れた候補者を失いたくはないでしょう。多くの場合、候補者は潜在的な顧客でもあります。したがって、明確に定義されていて分かりやすく、最先端の、没入型で高速なデジタル応募・選抜プロセスが、優れた候補者と潜在的な顧客を維持するための鍵となります。候補者に力を与え、自分のパフォーマンスについてフィードバックしてくれるようなプロセスです。
#4――自動化によりバイアスを取り除き、スピードと意思決定の質を向上させる
ハードスキルとソフトスキル両方について基準を定義したら、これらの基準に照らして可能な限り迅速に、客観的に、かつ適切に評価することが成功の鍵です。適切なツールとプロセスを使用すると、偏見がなくなり、公平性が担保され、意思決定の質が向上し、スピードもアップします。例えば、オンラインコーディングテストは、候補者のコードを書く能力を評価できます。些細な構文エラーを自動的にチェックできるAIを導入すると、「コードがコンパイルされるか、コンパイルされないか」という二元論の結果ではなく、コードの定性的な評価を行うことができます。小さなミスによりネガティブな評価をしてしまうことが減り、より適切な人材を特定することにつながります。さらに、標準化され自動化された方法で組織への適合度やリーダーシップポテンシャルを評価することで、効率、有効性、そして最終的には候補者経験も改善されます。
ビジネスの成功を推進する人材を採用する際、上にご紹介した4つのポイントが組織に競争力を与えます。人間の意思決定プロセスに取って代わるものではなく、強化するものであるという点に注意してください。多様で熱心な候補者を増やし、そこからスキルと適合性に基づいて候補者を絞りこみ、採用マネジャーが、スキルやポテンシャルに関するデータだけでなく、チームや組織への適合度も考慮した上で最終決定を下します。
候補者が少なくても過剰であっても、IT人材の採用は難しいでしょう。また、候補者のテクニカルスキルと対象職務への互換性を確認する方法は簡単に分かるものではありません。したがって、企業が適切なリソースと努力を投資して、適切な候補者集団をひきつけることが重要です。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/4-key-factors-to-recruit-top-tech-talent/
著者のアレクサンダー・ラッツェルはSHLのドイツ語圏のカントリーマネージャーです。コーディングテストは日本ではあまり耳にする機会がありませんが、ヨーロッパなどではよく活用されているようです。
Aspiring Minds社がSHLに加わったことで、テクノロジーと科学の力が、人材に関する、偏りのない戦略的な答えへの道を示します。
2020年は、近年の歴史の中で最も困難な年の1つでしたが、医療関係者の努力のおかげでついに希望の光が見えてきました。しかし、2020年のすべてがひどかったわけではありません。2020年は、SHLとAspiring Minds社がそのテクノロジー、製品、科学を統合し始めた年でもありました。
私は、この変革的パートナーシップによって可能になったイノベーションを最前列で見てきました。2021年第1四半期の終わりまでには、2社が完全に統合されて1つのSHLとなった姿を見ることができるでしょう。
Aspiring MindsとSHLが一緒になることは、HRテクノロジー業界の最大のイベントでした。 2021年以降、私たちが1つの大きなユニット、つまり「AIパワーを得たSHL」となった結果として、業界やお客様が得られるものは次の通りです。
#1――AIを活用した優れた人材採用ソリューションを、地域を超えて利用できる
Aspiring MindsのAIを活用した世界有数の採用アセスメントソリューションは、現在SHLのポートフォリオの一部です。 SHLの新しい人材評価サービスの一環として、900を超える職務に対応する豊富な質問バンクを備えた、展開が容易なリモートソリューションがすでに世界中に広がっています。このアセスメントは、人工知能と機械学習の力を活用して、候補者に関する比類なき洞察を即座に提供し、採用担当者がより迅速に採用決定を下せるようにします。
採用用のビデオ評価ツール、Smart Interview LiveとSmart Interview On-Demandは、候補者をスクリーニングし、最高の人材を科学的に特定し、同時に、候補者が地球上のどこにいても魅力的な体験を提供します。このツールによって、クライアントはバーチャルで候補者に会い、職務に特化した質問の膨大なレパートリーを使用して、候補者に構造的な評価プロセスを提供することができます。
Coding Interviewは、面接全体の記録と再生とともに、候補者のコーディングスキルに関するAI支援の洞察を提供します。これらのソリューションを組み合わせることによって、「候補者アセスメント」のサイクル全体に自動化と標準化がもたらされ、妥当性が検証された真正の候補者データポイントを大量にとらえることができます。
#2――貴社の人材に関するすべての答えを1つのプラットフォームで
Aspiring Mindsの力が既存の人材マネジメントソリューションを補完したことで、SHLは今や、最新の最先端テクノロジーと経験豊富な科学的アプローチでもって、次世代の人材採用と人材マネジメント全体のツールを提供する世界で唯一の企業となりました。貴社がベストな人材を採用し、既存社員のポテンシャルを最大化することを支援します。
SHLは、心理測定学、データサイエンス、機械学習の組み合わせを活用し、従業員のライフサイクル全体にわたって、貴社と貴社受検者に有益な没入型の体験を提供します。300人以上の科学者からなる私たちのチームが、クライアントにスムーズなエクスペリエンスを保証しようと精力的に取り組んでいます。たとえば、データ主導の人材施策を始めるために、既存の応募者追跡システム(ATS)とダッシュボードのターンキーを統合してリアルタイムの情報を提供する、などです。
#3――SHLとAspiring Mindsの価値観がブレンドされて、貴社人材のポテンシャルを最大化する
Aspiring MindsとSHLはどちらも、「diverse, agile and innovative workforce(多様、機敏、革新的な労働力)」をクライアントが生み出す上での、テクノロジーとデータサイエンスの力を信じています。私たちは、資格よりも才能に焦点を当てる人材科学の力を活用します。
AIを活用したソリューションは、単に資格と役割を一致させるのではなく、適材適所を見つけることに役立ちます。私たちにとって、受検者は教育と経験の合計以上のものであり、社員は会社全体に貢献するリソース以上のものです。
私たちは、貴社が組織の将来のリーダー、つまり適切なスキル、成長の可能性、そして文化への適合度の最良の組み合わせを持っている人々を見つけることを支援します。 SHLとAspiring Mindの価値観が組み合わされ、現在、SHLという一つの単位になりました。貴社の成長と繁栄に大いに役立つような、ピープル・ファーストの人材戦略を提案します。
#4――世界中からのHRインサイト
世の中の動きに耳を傾けることは、人事とテクノロジーの最前線の新しい進展を追うことに役立ちます。 Aspiring MindsとSHLは、さまざまな業界の他の専門家やクライアントと頻繁にネットワークを構築し、これまで何千もの業界リポート、白書、事例、ブログ、ポッドキャストを作成して、人材に関するトレンド、アセスメントにおける人工知能の使用、リモートワークのトレンド、文化的洞察、ダイバーシティ、倫理などに関する、示唆に富む洞察を提供してきました。私たちにとって、人材に関するすべてのベストプラクティスの最前線に立つということは、これら学んだことをクライアントと私たち人材業界に伝え、人事管理に関連するすべてのことの、最先端で、研究に裏打ちされた、業界で認められた洞察に満ちた情報を提供することです。
私たちは、SHLの同僚と常に協力して、両社の長所を組み合わせてきました。その結果である一連の人事管理・採用ソリューションは、2つの会社がリモートで協力してできた、業界最高のソリューションです。不確実性の中でイノベーションを生み出すというSHLの直接の経験が、ソリューションの俊敏性と、絶えず変化する職場の性質に企業が適応することを支援しようという私たちの確固たるコミットメントに現れています。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/how-talent-acquisition-and-management-was-transformed/
著者のNiyaatii Swamiは、SHLの企業マーケティングマネージャーです。
SHLグループがAspiring Minds 社の買収を発表したのが2019年10月でした。Aspiring Minds 社はインド生まれ、アメリカ育ちの、AIテクノロジーを得意とする新進気鋭の人事アセスメント会社でした(本コラム第288回をご参照ください)。
その後、コロナウィルスによるパンデミックによって、世の中は激変しました。SHLグループとして、(Aspiring Minds社のビデオインタビューツールが一部、SHLプラットフォームに組み込まれたり、はありましたが、)両社の統合による展開がなかなか見えなかったのは確かです。
この記事によれば、あと一月足らずで何か大きな飛躍がありそうです。楽しみですね。