背景
Cundallは、建築サービス・土木および構造工学・持続可能な設計などの専門コンサルティングサービスを提供しています。この領域における世界的なリーディングカンパニーです。イギリス、ヨーロッパ本土、中東、アジア太平洋の20か所以上で事業を展開しています。
Cundallは、ビジネスの成長をリードするポテンシャルとスキルを持つ人材を特定する必要がありました。SHLのハイポテンシャル(HIPO)ソリューションが、Cundallに強力なリーダーシップパイプラインを提供し、(最も有望な層だけでなく)全スタッフの能力開発の狙いを絞ることを支援しました。
課題
- グローバルな成長を推進するポテンシャルが最も高いエンジニアとアソシエイトを特定して能力開発すること
- 「自ら育つ」人材戦略を組み込むこと
- 全スタッフの能力開発機会を最大化すること
競争の激しい人材市場に直面し、Cundallは社内で強力なリーダーを育成したいと考えていました。特に、国際的な成長を推進できる人材パイプラインが必要でした。
Cundallのパートナー(人事教育担当)のキャロル・オニール氏は、「我が社で最も有望な人材に対し、個人として成長しビジネスも成長させることに役立つような能力開発の機会を提供したかった」とコメントしています。
実際、オニールは会社のすべての人材をより効果的に配置したいと考えていました。「全従業員のスキルと能力をよりよく理解することが、彼らをより効果的に適切な役割に割り当てて、狙いを絞った能力開発を促すことにつながります。」
さらに、重要な人材データは、社外からの採用で埋めるべきギャップを理解することに役立ちます。Cundallは、しっかりしたHIPOプログラムを開発することが、会社が最高の人材を惹き付け、定着させるための鍵と考えました。
ソリューション
Cundallは、SHLに依頼して人事部門の成熟度を評価しました。 これは、「CundallがHIPOの特定と開発に特に焦点を当てる必要がある」というオニールの信念を確認することに役立ちました。
その結果がCundallの「ポテンシャルの最大化」プログラムです。Cundallは、125人のエンジニア、シニアエンジニア、プリンシパルエンジニア、およびアソシエイトを対象に、イギリスでの試験運用プログラムへの参加者を募りました。その後、パーソナリティ、モチベーション、能力についてHIPOアセスメントを実施し、結果を業界の傾向と比較しました。続いて、会社全体のキーパーソンにインタビューを行い、候補者のエンゲージメントを評価しました。
結果、Cundallは、今、リーダーになれるポテンシャルがある人々に特徴的な、高い志と高い能力を持つ個人を特定できました。また、適切な能力開発を行えば、明日のリーダーになり得る人々も特定しました。
オニールは次のように説明しています。「このプログラムは、一部の人材に対して私たちが持っていた仮定に疑問を投げかけ、社内の豊富な人材をどう能力開発するかに焦点を当てることに役立ちました。また、キャリアの初期から中期の段階の人々の能力開発計画をより構造化することに役立ちました。人々をどのように成長させるかについて、画一的なアプローチではなく、少し賢く対応できるようになりました。」
両方のグループに合わせた詳細な能力開発プログラムが作成されました。社員の既存コンピテンシーを活かし、短期・中期および長期でビジネスの成長をサポートできるようにすること、に焦点が置かれました。
結果
- より強力なグローバルリーダーシップパイプライン
- リーダー交代によるビジネスリスクの低減
- 的を絞った能力開発により、スタッフのエンゲージメントと定着を改善
- 人材戦略に沿った外部採用
「ポテンシャルの最大化」プログラムがイギリス全土で成功裏にスムーズに展開されたことで、Cundallは人材プールの状況をより良く把握できるようになりました。オニールが言うように、「このプログラムは、より強力なリーダーシップパイプラインを与えてくれ、『自ら育つ』人材戦略の浸透を助けています。どういう人がどこにいるかを、私たちが正確に理解することに役立ちました。」
プログラムはビジネスリスクの軽減にも役立っています。客観的な人材データを持ち、能力開発に強く集中することによって、エンジニアが適切なリーダーシップとマネジメント能力を持っていることを事前に確信できるようになったためです。
オニールは、人材ギャップを埋めるための社外採用についてより戦略的に考えることにも役立っていると述べます。「当面のニーズだけでなく、より幅広いスキルセットをどう採用するかを考えるための材料を与えてくれました。テクノロジー中心の会社として、私たちは技術的なスキルに集中しすぎる傾向がありました。特に中長期の採用において、それをマネジメントスキルとリーダーシップスキルに広げていきたいと思っています。」
オニールと彼女のチームはすでに、今後、SHLとの関係からどう一層の価値を得られるか、に目を向けています。「私たちは日常の評価にすでにSHLを多く使用しています。HIPOソリューションの試験運用が明確に成功したことで、私たちは今、SHLの助けを借りて、これをグローバル全体に展開しようとしています。」
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/customers/success-stories/cundall/
HIPOソリューションは基本的に特定の対象者に向けた施策ですが、この事例では全従業員の能力開発プログラムの改善にも寄与しています。
最後に
現在のパンデミックは労働者に大きな混乱をもたらしました。柔軟な働き方が当たり前になり、失業率が上昇し、スキルの再教育や仕事の共有化、再配置などにつながっています。これは、私たちに、職場でより良い意思決定を行うために必要なことについて、根本的に再考する機会を提供しています。社会の一員であり、組織のリーダーである私たちが、どのようにZ世代を受け入れ、多様性を高めることができるかを考えなければなりません。
今回の研究から、Z世代が、戦略的思考と計画力に優れ、創造的でしっかりしたアウトプットを提供でき、アイデアを実現しようという意欲を持っていることがわかりました。一方、私たちが彼らに対してできることは次の3つです。
- アイデアを安全に共有でき、批判は改善のためのサポートメカニズムであると見なされる風土を作ることによって、彼らのレジリエンスを高める援助をすること。
- 実行可能な行動を伴う、目的を持った、タイムリーで建設的なフィードバックを提供することによって、挫折の克服を助けること。
- 意味のある仕組みと意味のある組織の価値観を取り入れること。彼らから疑問を出された場合の準備も行い、一緒に進化させていくこと。
付表
Z世代のリーダー候補者たちの特徴分析結果を3回にわたってお送りしてきました。
22卒採用選考がそろそろ具体的に始まろうとする今、ご参考になれば幸いです。
原文はこちらから入手できます(ダウンロードにはお名前や社名などの入力が必要です)。
https://www.shl.com/en/resources/the-promise-of-gen-z/
原本には参考文献も記載されています。
結果1:思考スタイル――戦略的な課題解決に自分の物事の見方を活用
若いリーダー志望者は相対的に、演繹的推理力を最も強みとすることがわかりました。一般的な原則を特定の状況に適用するタイプの問題を解決することが得意です。つまり、自分が世の中をどう認知処理するかに頼り、それを戦略的な課題に適用します。
下のグラフは知的能力3科目における得点の分布を示しています。選抜場面で平均以下の候補者は除外されましたので、期待される割合は、「平均より非常に高い」が14%、「平均より高い」が29%、「平均」が57%となることに注意してください。
全ての地域で同様の傾向が見られました。若いリーダー志望者がどのように問題解決を行うかについて、地域による差異はほとんどないことを示唆しています。
この結果は、エグゼクティブレベルのリーダーが通常、帰納的推理力(特定のルールを一般的な状況に適用するタイプの知的能力)に秀でていることと対照的です。この違いはシニアリーダーと若い世代の知的能力に多様性があることを浮き彫りにしており、「シャドーボード(影の取締役会)」でその多様性を活用できると言えます。
結果2:行動スタイル――積極的、徹底的、戦略的。現状に疑問を投げかける。障害への対処にはサポートが必要。
SHLユニバーサル・コンピテンシー・フレームワーク(UCF)を用いて、職場における行動面での強みを調査しました。UCFは妥当性が検証されたフレームワークで、20のコンピテンシーで構成されています。世界中のあらゆる職務・レベルについて、すべての職務行動を網羅するように作成されています。このフレームワークによって、若いリーダー志望者たちについて、どこに強みがあるのか、より助けを必要とする点はどこかを調査することが可能です。全般に、彼らは次の領域で強みを示しています。
- テクニカル面と学習――徹底的で正確なアウトプットを含む
- 戦略的思考――価値主導のマインドセット
- 計画を立てて断固とした行動を取る――着実に進むやり方につながる
一方、彼らは現状に異議を唱える傾向があり、消費者ニーズを超えた行動をとることを好みます。さらに変化や障害への対処について学びが必要かもしれません。また、ソフトな関係を築くことよりもビジネス上のメリットに重点を置く傾向があります。新しい関係を構築したり部門の枠を超えて仕事をしたりすることは彼らにとって容易ですが、他者を介して結果を出すことは学習が必要なポイントです。
知的能力と同様に、すべての地域で同様の傾向が見られました。これは、強みと能力開発が必要な領域に地域間でほとんど違いがないことを示唆しています。
これらの行動面の傾向は、私たちがどのように彼らの強みを活用し、能力開発が必要な領域についてバランスを取るか、という重要な問題を提起します。心理的に安全な環境で、彼らの強い仕事倫理や戦略的思考、並外れた意欲をどのように引き出すか。私たちは、若いリーダー志望者に、レジリエンスを鍛えて障害に対処し、役に立つ仕組みを作り、他者を介して結果を出す方法を学んでもらう必要があります。
結果3:リーダーシップ課題――変化をリードすることが強み。役立つ仕組みとサポートがあれば成功する。
過去20年間のグローバリゼーションと技術の進歩、そして現在のパンデミックが、地理的に分散した労働力、よりマトリックス化された組織構造、そして、より高い生産性への依存度を高めています。これらの変化は、経済の混乱と絶え間なく変化する政治情勢と相まって、職場に前例のない量の変動性と不確実性をもたらしました。したがって、リーダーは、絶えず変化し、斬新で、なじみのない状況で舵取りをする必要があります。これらは興味深い疑問を引き起こします:「では、誰が最高のリーダーなのか?」「リーダーに必要な特徴は何か?」。
85の企業から9000人近くのリーダーを対象に実施されたSHLとGartnerのリーダーシップ研究の中で、考慮すべき鍵はリーダーが活動する『コンテキスト(文脈)』であることが示されました。職場の行動面での強み、経験、能力はすべて、リーダーが直面する課題、すなわち、彼らのコンテキストに関連するというのが結論です。私たちはこのリーダーシップ研究を使用して、リーダーシップ課題の解決にあたって、若いリーダー志望者がどう対処するかを明らかにしました。
リーダーシップ課題は全部で27個あり、4つの分野に分かれています。下のグラフは、その4分野に対する若いリーダー志望者のポテンシャルを示しています(27個の課題全ての結果は本稿最後の附録にあります)。また、特に興味深い2つの課題を抜き出し、結果を円グラフで表示しています。グローバル比較集団で予想される割合は、適合度「低」が30%、「中」が40%、「高」が30%です。
全体として、彼らは、リーダーシップのさまざまな課題に直面したときに成功するための強みを根底に持っています。特に、「変化をリードする」ことが強みです。これは、彼らが「決断・率先垂範」コンピテンシーを強みとすることを考えれば、驚くことではありません。能力開発が最も必要なのはリスク管理です。「リスクを避けるコンテキスト」と「リスクを取るコンテキスト」の円グラフの対比を見ると、Z世代に対して、私たちがどう、仕組みや心理面のサポートをしなければならないかがわかります。
結果2で、彼らは、「現状に従うこと」「レジリエンス」「障害への対処」が比較的苦手であることが明らかになりました。リスク回避的なコンテキストで仕事をする場合、意味のある仕組みがあり、かつ変化に柔軟に対応する環境の利点を生かして、彼らは成功する可能性が高いです。境界がなく、高いリスクを取るような環境では、レジリエンスを育成するための心理的安全性を提供することはできません。
したがって、現在のリーダーには、彼らのこうした強みを表現できる環境を作る責任があります。さらに、フィードバックの文化、意味のある境界と価値観を構築するための仕組み作りに投資し、彼らの意欲とイニシアチブが社内の他のメンバーに伝播する機会を作る責任があります。
記事内で示されたZ世代の特徴は、皆様が持っているZ世代への印象と近いでしょうか。
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序文
Nairita Paul, Psychologist & Managing Consultant
世界的パンデミックは、変化する力と適応力が根本的に重要であることを実証しています。組織が今日経験している変化の波を克服するためには、認知的多様性(人生経験、世界観、および情報の処理方法による違い)が重要であると考えられます。変化のスピードはしばしば岩場でのサーフィンに似ています。そこでは、経験豊富なスイマーとクリエーター(波しぶきを克服するための新しい方法を見つけるかもしれない)の両方が必要です。
1990年代後半から2000年代に生まれたZ世代は、主流メディアにおいて、前の世代よりも「打たれ弱く、キレやすい」とよく描かれます。しかし、このグループの若くて意欲的なリーダーたちは、生まれながらのデジタル世代にのみ可能な、それまでとは異なる視点や情報処理スタイルを提供します。彼らにとって、世の中でできることは今がスタートです。私たちは流れの途中にあり、さらなる社会的移行と世界的発展を目撃しているのです。
はじめに
「Great minds think alike. (偉大な人は皆同じように考えるものだ)」というイギリスの諺に対し、Matthew Syed(註:イギリスの元卓球選手で、現在は有名なジャーナリスト)は一貫して反論しています。彼は、「さまざまな専門性や経験、世界観を持つ個人が平等な「力」を発揮できるようにするとき、問題は最もうまく解決され、戦略は最もうまく形成されるのだ」と示唆します。重要なことは、「アイデアに対する批判は最もインパクトある解決に向かう前向きな道程である、と見なすような環境を整える必要がある」という彼の主張です。
Z世代に対するそのような視点が社会にあるならば、私たちが果たすべき重要な役割があります。組織の上級職メンバーとして、アイデアの浮沈を許容する環境を作り、若者とアイデアを共有して彼らからの批判を受け止めることです。
メディアでのZ世代に対する嘆きは、おそらく私たち自身のせいです。私たちは長い間、優れた意思決定をするためには、長期間の経験が重要であると金科玉条のごとく信じてきました。
その常識に逆らい、ファッション界大手のグッチは若いリーダー志望者からのインプットを受け入れ、4年間で136%の売上成長を遂げました。直接の競合会社プラダが売上11.5%減少したときです。成長の要因は「シャドーボード(影の取締役会)」の導入です。若手部下チームが上級管理職と一緒に動き、戦略的意思決定に関して直接影響を与えることを可能にしたのです。シャドーボードは、マーケティングやデザインを人々の買い物のし方や情報入手方法の変化に合わせて迅速に変えることに役立ちました。したがって、私たち社会の他のメンバーは、若者の視点を失いたくありません。代わりに、私たちは彼らが提供する認識の多様性を育て、活用する必要があります。
同様の施策がアデコグループによって行われています。「CEO for One Month(1か月社長)」 です。世界中の18歳から23歳までの若いリーダー志望者が、自国のアデコのCEOを1か月間シャドーイングすることに応募します。受賞者はまた、経営幹部リーダーチームの一員として一緒に動き、戦略の策定を支援して、貢献し学びます。
この白書では、若手トップリーダー志望者のプロファイルに焦点を当て、職場における行動や問題解決能力の観点から、彼らのもつポテンシャルがどこにあるのかを明らかにします。目的は、私たちの絶え間なく変化する職場において若者が何を提供できるか、という問いに答えることです。
調査対象グループ
調査対象グループは南北アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東の42か国からの2628人の受検者です。彼らは、知的能力テストと状況判断力テストによる一次選考(31パーセンタイル以上)を通過した受検者です。
状況判断力テストはCEOシャドープログラムでの成功に不可欠と見なされる職場行動(「決断・率先垂範」「協調」「関係作り・ネットワーク」「創造・改革」「顧客志向・業務管理」「適応・変化への対応」)に焦点を当てたものです。
この白書は、アデコグループのCEO for One Monthプロジェクトとの共同研究から執筆されたものです。
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次回は白書の核となる部分、調査対象2628人のテスト分析結果をお送りします。
本年も皆様にお役に立つコンテンツをお届けできるよう努めてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。
背景
Axis Bankはインドで3番目に大きな民間銀行です。従業員は5万人を超え、大企業から小売を中心とする中小企業まで、多くのお客様に金融サービスを提供しています。同社の収益は110億ドルです。
課題
Axis Bank Young Bankers(ABYB)プログラムは、将来の業界リーダー育成のために設計された1年間のプログラムです。
プログラムは急速に拡大し、33の都市で年間2万人以上の応募があります。Axis Bankは、優秀な候補者を迅速に選抜するために、信頼性が高く、標準化された、拡張可能なソリューションを必要としていました。
ソリューションには以下のことが求められました。
- 短期間に複数の場所で候補者を評価できること
- 大量の候補者をスクリーニングするためのリモート受検機能を備えていること
- Axis Bankと候補者の両方に、選考プロセスが公正かつ正確であるという自信を持たせること
ソリューション
SHLグループのAspiring Minds社は、標準化された効率的なアセスメントがABYBにとって最も重要であることを理解し、次の4つのオンラインアセスメントツールを組み合わせた選抜ソリューションを提供しました。
- AI採点付きのビデオ面接
競争の激しい銀行環境で働くために必要なコンピテンシーを持っている可能性が最も高い候補者を特定するため。 - 知的能力テスト
金融サービスで成功するために必要な知的能力を持っているかを確認するため。 - 営業職対象の状況判断テスト(※)
プレッシャーの下でも成果を出すことができる候補者を特定するため。 (※実際の職務で遭遇するであろう場面が画面上に提示され、受検者がどのように行動するかを選択肢から選ぶテストです。) - パーソナリティ検査
特定の役割やポジションへの適合度を確認するため。
この多角的なソリューションによって、Axis Bankはわずか10日の間に、33か所で同時に同じ評価プロセスを展開することができました。
結果
- 評価プロセスを合理化
わずか10営業日で22,356時間のオンライン評価と、10,733時間のビデオ面接を実施しました。これはオンライン評価を7秒に1回、ビデオ面接を18秒に1回行ったことになります。
- コストを削減
ビデオ面接を使用することによって選抜プロセスが最適化され、候補者の質を犠牲にすることなく、時間とリソースの両方を節約できました。2万人以上の候補者で面接時間は4,267時間削減されました。
- すべての候補者に魅力的な体験を提供
候補者の89%が、選抜プロセスは優れていると評価しました。この中には選考で不合格となった人も含まれています。
今回より偶数回の記事翻訳を担当する廣島と申します。どうぞよろしくお願い致します。
今回で本年の更新は終了です。今年はコロナウィルスの影響でビジネスのやり方にも大きな変更が余儀なくされました。オンラインによる面接もその一つでしょう。今回ご紹介した事例にある商品では面接の評価にAIを活用しています。現在対応言語は限られておりますが、今後拡充される予定です。
来年は皆様にとってよい年になりますよう。
第二のロックダウンに入ろうとしているとき、部下を束ねるリーダーがリモートチームと持続可能な仕事のやり方を築くための5つの方法。
(2020年11月16日:Selina Kotecha)
パンデミックが「第2段階」に入り、私たちの労働環境の長期的な現実が明らかになってきました。春、私たちは数か月間リモートで働く準備をしました。嵐を乗り越え、その後明るい兆しが見えてきました。夏の間、私たちは普通に暮らし、お気に入りのレストランで食事をしたり、友人や家族に再会したり、おそらくはオフィスに行ったりもしました。私たちの仕事の行動もまた、古い習慣に戻り始めていました。
短い会議やバーチャルのコーヒーブレイクなど、最初のロックダウンにおけるバーチャルコミュニケーションの興奮と目新しさは落ち着きました。しかし、それでよかったのでしょうか?私たちは以前のやり方に戻ることを急ぎすぎたのかもしれません。第1段階で機能したものと機能しなかったものから学ぶことによって、この第2段階に入る必要があります。
マッキンゼー社のリポートによれば、春のロックダウン中、生産性が41%向上しました。しかし、トイレに行く時間がなく、短時間で昼食をがつがつ食べて消化不良を引き起こすことが、私たちが我慢すべき交換条件ではありません。そのように働くことがあなたのメンタルヘルスに与える影響は言うまでもありません。より持続可能な仕事行動について考えなければなりません。
社会的学習理論によると、私たち人間はお互いから学び、身の回りに見るものを模倣する傾向があります。そして、危機に瀕しているとき、私たちは試行錯誤のプロセスを通して最善のアプローチを見つけ出します。では、私たちはこれまでに何を学び、リモート環境でより長期に生産的に仕事をするのに役立つ戦略をどう実行するのでしょうか。
部下を束ねる管理職は、良い行動を例示する上で重要な役割を果たします。私たちが先例となれば、他の人は従おうとします。私はこの期間を使って、管理職としてもっとうまくやるには何ができるかを考えています。パンデミックの第2段階に入る際、より健康的で長期的な行動を促進するために私が計画している5つの方法を次に示します。
短い会議を試す
1時間の会議が時間を有効活用していないことは皆わかっていますが、それでも私たちの予定表は1時間会議でいっぱいです。会議が30分枠にきちんと収まる必要があると誰が決めたのですか?!差し戻して、主催者に45分や20分でもよいかどうかを尋ねます。余った時間で、飲み物を飲んだり、快適な休憩を取ったり、少し頭をからっぽにしたりできます。また、すべての会話をスケジュールする必要はないことを忘れないでください。ちょっとチャットしようと同僚に電話すればよいのです。
テクノロジーを最大限に活用する
私はいつも、社内で使うプログラムとその隠れた機能について詳しく学んでいます。チームでのライブドキュメント編集は、メンバーが自分の時間でログオン、レビュー、編集できるので素晴らしいです-実際のアウトプットがないところでそれに関する会議を開くよりも。もう1つの個人的なお気に入りは、チームでのライブメモ取り、メモ帳のドロップ、入力です。それは自動的に保存され、不在者も簡単に追いつくことができます。
常に「オン」であることを意識する
ビデオ通話は、特に内向的な人にとっては「パフォーマンス」に匹敵し、エネルギーを奪います。率直に言って、ぼさぼさの髪でパジャマで座っていたい-これは以前は在宅勤務の大きな特典でした-と思うこともあるでしょう。つまり、どんな場合がパフォーマンスなのかを明示してください。そして、全てがパフォーマンスであると期待してはいけません。
休止の時間を入れる
奇妙に聞こえるかもしれませんが、休止の時間を入れてください。私の同僚の中には、他の人が会議の予定を入れられない「ゴールデンアワー」がカレンダーにある人がいます。少なくとも、昼食時に時間をとり、足を伸ばして外で食べることはできます。他の人があなたのカレンダーを見たら、「あらまあ、私はどうしてそうしないのだろう?」と思うでしょう。そして、おそらく彼らも似たようなことを試みるでしょう。
同僚間の協力とサポートを奨励する
調査によると、この期間中、ほとんどの人が会社のツールやリソースを使用するよりも、同僚にサポートを求めます。管理職として、私たちはバーチャルの飲み会やコーヒーブレイクを段取ることによってこれを奨励できます。これは春のロックダウンで起こっていたことで、私の見解では復帰すべきことです。面倒にならないよう、少人数のグループで試してみましょう。そして、私たちはまだ、外を散歩して人と会うことはできるのですよ。あなたの同僚が近くに住んでいるなら、これは良い選択肢かもしれません。
振り返って検討し、より長期的な計画を立てる必要があります。あなたとあなたのチームが悪い習慣に戻ってしまったならば、今がリセットボタンを押すべき時です。
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/managing-remote-teams-we-are-in-it-for-the-long-haul/
これはイギリスの話ですが、12月のいま、日本も第3波の感染拡大の先が見えない状況です。リモートワークの鍵は部下を束ねる管理職の新しい行動かもしれません。
通常面接とオンライン会議ですでに確立されているベストプラクティスを活用して、応募者フレンドリーなオンライン面接体験を創り上げましょう。
(2020年11月5日:Valerie Rogers)
オンライン面接へようこそ!まだなじみの薄い技術かもしれませんが、面接プロセスがオンラインになっても基本的な決まり事の重要性が失われることはありません。幸いなことに、対面面接に関するかなりの数の考慮点が、オンライン面接実施にも依然として関連します。唯一の違いは媒体です!まずは、あごを突き出して髪を整え、中立的かつ温かみのある最高の表情を浮かべてください。そして、基本をもう一度見ていきましょう。
#1 仕事との関連性を保つ
様々な理由で、内容が仕事に関連し、重要なコンピテンシーだけに基づいているようにすることが非常に重要です。応募者の過去のパフォーマンスについて質問するようにしてください。例えば、「○○した時のことを話してください」という質問です。この質問はどんなときにも使えます。なぜなら、その質問はうまくいくからです。ただし、どんな質問をするにしても、年齢や婚姻状況などに関する違法な質問は必ず避けてください。両親や婚姻状況、宗教的立場を明らかにすることにつながる週末の計画について尋ねるなど、微妙な情報開示につながる可能性のある質問を避けてください。これらは、対面面接においてと同じようにオンライン面接でも立ち入り禁止です。
#2 回答の詳細を掘り下げる
あなたの応募者が、どのように全員が協力するようになったのかについて7分間話したとしましょう。しかし、彼はあなたの質問に答えましたか?最初はやりにくいかもしれませんが、状況、行動、結果(Situation, Behavior, Outcome:SBO)に関する詳細を得るために、あなたは応募者の回答を掘り下げなければなりません。このタイプの面接質問には多くの形式がありますが、どのアプローチを使用する場合でも、詳細を入手してください。掘り下げ質問の目的は、応募者の行動と結果に関する文脈情報を取得することです。彼らが自分でそこにたどり着くことができない場合、できるだけ自然にその情報を共有するよう彼らに促すのがあなたの仕事です。
#3 一貫性を保つために質問を標準化する
一貫性は採用プロセスのすべての面で重要ですが、面接でも本当に重要です。すべての応募者が、自分自身を提示する同じ体験と同じ機会を持つべきです。面接官としてのあなたの仕事は、それを促進することです。「導入」「背景の質問」「行動の質問」「応募者からの質問」「まとめ」「次のステップ」などを含む、すべての面接のシナリオを必ず作成してください。
#4 採点と意思決定のし方を決める
面接プロセスの他のすべてのステップと同様に、一貫したプロセスであるよう確認する必要があります。個々の質問ではなく、コンピテンシーによって応募者を採点するようにしてください。一貫した公正な評価を助けるために、行動アンカーもしくは重要な出来事の形で構造化された採点方法を活用します。面接官が複数いる場合は、コンセンサスによる意思決定のプロセスを描いているようにしてください。これは、優先順位付けマトリックスのような形になるかもしれません。どのようなやり方であれ、それがすべての人の意見を促し、事実とデータを活用しているよう確認してください!
#5 マナーに気を配る
対面面接に当てはまるものはすべて、オンライン面接にも当てはまります。アイコンタクトをとり、笑顔でうなずき、応募者の発言に関心を示し、雑音や気を散らすものをできるだけ最小限に抑え、応募者に時間を割いてくれたことを感謝することを忘れないでください。
避けるべきことには基本的なことが含まれます。そわそわしたり、ペンを机に打ちつけたり、足をゆすったりしないでください。自分の携帯電話や時計のような、カメラに映っていないものを見ないでください。面接官は応募者の話に割り込むべきではありません。話し終えるまで待ち、「それは本当に素晴らしいお話しですが、さきほどの…の話に戻ってもかまいませんか?」など言って話の流れを戻します。
多くの人がまだ在宅勤務している世の中では、パートナーも在宅勤務している、犬が吠える、子供が走り回っている、などの異音が発生する可能性があることに注意してください。評価を行う際はこれらをすべて無視する必要があります。最後に、面接を時間どおりに開始および終了して、応募者を尊重している姿勢を見せるようにしてください。応募者の10%が面接中に自分の時間が軽視されたという理由で応募プロセスから退く、というデータがあります。註1
そうならないようにしましょう!
- (註)
- TalentBoard (2019) 2019 North American Candidate Experience Research Report.
原文はこちら。
https://www.shl.com/en/blog/5-ways-to-facilitate-a-positive-video-interview-experience/
オンライン面接でも対面面接でも基本は同じ、ということです。
最も人気のあるプラットフォームとの統合により、SHLビデオ面接ツールの変革が続きます。
(ロンドン、2020年10月29日/ PRNewswire)
SHLは本日、Smart Interview(ライブ面接ツール)を、ZoomやMicrosoft Teamsなどのビデオ会議ツールと統合すると発表しました。SHLの顧客は自分たちが使い慣れたビデオ会議プラットフォームでSHL Smart Interviewテクノロジーを活用でき、採用担当者が簡単に面接のスケジュールを立てて実施できるようになります。
SHL Smart Interviewは、最も有能な応募者をすばやく選別、面接、採用するための直感的なツールです。オンデマンド版は、録画された応募者の返答を自動評価することによって初期段階のスクリーニングを合理化します。履歴書によるスクリーニングに関連するバイアスとスケーラビリティ(拡張性)の制限を取り除きながら、優秀な人材のより正確なリストをより速く作成します。また、ライブ版では、自分たちが気に入っているビデオ会議プラットフォームを使用しながら、事前に設定された質問パネルや応募者評価フォームなど応募者と採用担当者の両方にうれしい追加機能を享受できます。
何千もの応募の中から最高の人材を特定するのは簡単なことではなく、従来の初期段階スクリーニング方法ではさらに遅くなります。また、対面面接は2020年に深刻な影響を受けました。現在、企業組織の86%がバーチャル面接を実施していますが、採用担当者の半数以上がそれらの面接をうまく行うことを難しいと感じています。
「SHL Smart Interviewは、この非常に競争の激しい求人市場において、貴社のブランドを際立たせるアプリケーションエクスペリエンスを提供するよう構築されています。当社の没入型テクノロジーは、ATSやビデオ会議プラットフォームとシームレスに統合されたインタラクティブでブランド化されたエクスペリエンスでもって、最初から候補者の注目を集めます。」(Andy Bradshaw、SHL CEO)
最後に、透明性の高い人工知能エンジンからの支援をオプションでつけることによって、SHLは応募者のスクリーニングにスケーラビリティをもたらします。並ぶもののないアセスメントポートフォリオの助けを借りて、採用担当者は応募者の能力についてさらに深い洞察を得ることができます。
世界中の主要な企業組織がSHL Smart Interview使って面接プロセスを合理化しており、採用までの平均時間が最大で60%短縮、採用に費やす時間が数千時間節減、内定辞退の減少、応募者満足度の劇的な向上、などを経験しています。
現在、ZoomやTeamsの機能を利用できるのは一部の顧客だけです。本年末までに利用範囲をさらに広げる予定です。
SHL Smart Interviewはバーチャル面接用のツールです。オンデマンド版(応募者が自由な時間に回答、採用担当者はその録画を見て評価)とライブ版(応募者と採用担当者がその場でやり取り)があります。
コロナ禍、日本でも多くの採用面接がバーチャルで行われました。おそらく、ZoomやTeamsなどの一般的なビデオ会議システムを利用して行った企業が多かったのではないでしょうか。実際にやってみてどうだったか、いろいろな実感を持たれたことと思います。
SHL Smart Interviewは面接に特化した、エンドツーエンドの管理システムです。
その大きな特徴は、
- 応募者エクスペリエンスを重視して開発された。
- 採用担当者にとっては、面接質問例が提示される。
- 複数評価者による面接評価はもちろん、AI採点もできる。
- SHLアセスメントツールと連携できる。
このツールがZoomやTeamsと統合されるというニュースは画期的です。さらに現在もなお、新機能追加に向けて開発が進んでいます。日本語版の完成が待たれます。
モバイル対応の採用プログラムは複雑です。戦略設計と実装において人事と採用担当者をサポートする、基本的な検討ポイントがいくつかあります。
最近、インターネットに接続するのに携帯電話を使う人が、デスクトップコンピュータを使う人と同じくらいになってきました。2020年8月の時点で、アメリカ人の46%が携帯電話経由でインターネットにアクセスし、50%がデスクトップコンピュータ経由でアクセスしていました。世界で見ると、携帯電話が51%でデスクトップが46%です。註1
人事担当者は頻繁に変化する労働環境を念頭に置いて採用活動を強化し始めており、将来の採用戦略を考えるとモバイル対応は一見の価値があります。
以下の点を検討しましょう。
#1 モバイル対応の最大範囲
多くの場合、人事および採用担当者は、アセスメントのモバイル対応に焦点を当てるだけです。意図はよいのですが、ATS(応募者追跡システム)がモバイル対応でなかったり、企業サイトの社風プレビュービデオがモバイルの画面比率に合わなかったりすることによって、モバイル対応の選抜アセスメントの推進が阻まれる可能性があります。プロセス全体をエンドツーエンドで確認することは、人事や採用担当者にとって、モバイル対応がどれくらい大きな影響を与えるかを理解するために重要です。
#2 相手を知る
応募者全員がモバイルデバイスで応募したいとは限りません。コンピューターの前に座って仕事に応募したいのはラッダイト(技術革新反対論者)だけでしょうか? 違います!
2019年には、93%の企業が応募者にモバイル対応のオプションを提供しましたが、実際にそれを利用したのはわずか17%でした。註2
同じ調査によると、モバイルオプションを利用した応募者はわずか17%でしたが、オプションを利用できるようにしたことによって応募者の会社に対する印象が高まりました。つまり、オプションを提供することは重要ですが、それが必ずしも成否を決めるものであるとは限らないということです。疑う場合は、候補者へのフィードバックを採用プロセスの一部に入れてみてください! 応募者がどのデバイスでプロセスの一部またはすべてを完了したいのかどうかについて的を絞った質問をしてから、プロセスを再検討しましょう。
#3 モバイル対応しない方がいいものもある
モバイルフレンドリーな応募プロセスを作成する際の大きな考慮事項の1つは、仕事との関連性です。あなたがモバイル化しようとしているプロセスは、採用された後、従業員がPCで実際にしなければならないことですか? コールセンター職への応募者のタイピングスキルを評価する必要があるならば、採用された場合にどこでタイピングするかを考えてください。モバイルデバイスですか、それともPCですか? 彼らが多くの時間PCで作業するのであれば、選抜アセスメントと職務要件を関連付け、タイピングスキルに関する選抜アセスメント部分をモバイルでないデバイスで行う方が理にかなっています。同様に、コールセンター職でやることのシミュレーションを応募者にやらせたい場合は、採用後の勤務環境を考えてください。おそらく、コールセンターのチームは、フルキーボードと適度なサイズの画面を備えたラップトップまたはデスクトップで作業するでしょう。応募者にできるだけ現実的な体験を提供して、応募者が自分が何ができるかを示すことができるようにします。
#4 ベストな受検者エクスペリエンスの鍵はコミュニケーション
前述の通り、採用された場合に期待されることと一致するかなり現実的なシナリオで応募者にスキルを示すよう求める場合、プロセスのそれらの側面をモバイル対応にしないことは合理的です。企業はこれらの懸念をさまざまな方法で回避することができます。そのような回避策の1つは、応募者が面接に来たときに、選抜アセスメントのモバイルでない部分だけをその場で実施することです。それをうまくやる鍵が明確で一貫性のあるコミュニケーションです。応募要件に関するリマインダー、応募完了後に選抜アセスメントにかかる時間、採用担当者からの返信はいつになりそうか、などに関する現実的な期待を設定します。
貴社が採用においてテクノロジーとイノベーションの最先端にいる場合でも、まずは応募者追跡システムから始めたばかりの場合でも、上記の4点を心に留めておくと役立つでしょう。すなわち、1.採用プロセスを見直してモバイル対応の問題点を確認すること、2.応募者にとって何が重要かを理解すること、3.表面的妥当性と職務関連性を検討すること、4.応募者に明確で一貫したコミュニケーションをすること、の4つです。
- (註)
- 1:https://gs.statcounter.com/platform-market-share/desktop-mobile-tablet/worldwide
- 2:TalentBoard (2019). 2019 North American Candidate Experience Research Report.
ブログの筆者はValerie Rogers。SHLグループのTalent Solutions Consultantです。
註1で紹介されているサイトによれば、日本は2020年8月の時点で、モバイル40%、PC57%です。グローバルと比較するとまだ少し開きがあるように見受けられますが、採用プロセスのモバイル化について皆様はどのように考えられているでしょうか?
モバイル対応と言えば、当社は、選抜アセスメントのうちの能力テストについて、新しい形式の能力テストVerify Interactive日本語版の発売を開始しました。英語オリジナル版の開発発表時、本コラムでも何度かご紹介しました(第282回、第285回)。もともとモバイル対応を念頭に開発されたものですが、それだけでなく、受けていて楽しく(受検者エクスペリエンス)、かつ最新の採点技術が導入されています。詳しくは御社担当コンサルタントまでお問い合わせください。
新型コロナウィルス禍、採用チームのマネジメントは大変ですが、さらに優れた採用プロセスを作り出すチャンスでもあります。
現在進行中のパンデミックは、ほぼ一夜にしてビジネス環境を完全に変えました。そして、私のチームのような採用チームも影響を受けています。多くの会社が採用の大半を一時停止しています。採用チームは、日常業務において自分の主要職務である「採用」を果たすことができない、という喪失を経験しています。社員を採用することが私たちのアイデンティティの中心です。つまり、チームとして、そしてリーダーとして、私は人事チームやより広いビジネスの他領域でチャンスを見つけ、アイデンティティを再考する必要がありました。
私たちのチームが受けた影響は、リモートで作業しながらビジネスをサポートしなければならないという戦術的・運用的レベルだけでなく、より戦略的なレベルでもありました。すなわち、コロナ後にも当社のビジネスが先んじているための将来の人材ニーズの中で、私たちが果たすべき新しい役割を特定することです。私たちは、今の不透明な状況を将来に備えるためのチャンスとして利用し、プロセスや機能や職責を振り返って再考しました。
私たちの採用プロセスの品質と効率を理解するために、応募者との一連の活動、様々な接点、採用ツールを詳細に分析しました。
応募者エクスペリエンス(経験)が採用の重要な要素であることを私たち全員が認識しているため、それが最初の目的地でした。エクスペリエンスが楽しいものである場合、候補者の58%で採用通知を受け入れる可能性が高まります。
そこで、私たちはキャリアサイトを調べて、応募者が私たちの社風や社員、理念を把握できるものになっていることを確認しました。さらにATS(応募者追跡システム)を経由して私たちが応募者とどのようにコミュニケーションを取りたいかを掘り下げ、応募者にとって魅力的でエキサイティングなものであることを確認しました。
現代の応募者はデジタル時代に生きており、採用プロセスの最中に自分のスキルと知識を披露できるような最新ツールを会社が提供してくれることを期待します。
人材ビジネスの会社として、私たちには、応募者に力を与えるような最新の人材アセスメントと面接ツールを使えるというメリットがあります。新しく発売されたTechnical Hiring Solutionを使用してIT人材をアセスメントできます。また、ビデオインタビューツールを使用して、バーチャルの面接プロセスを組み込んでいます。
私のチームがリモートで仕事を続けなければならなかった大変な時、これら新しいツールを使用することが不可欠であると証明されました。アセスメントと面接のソリューションを使用して、応募者の能力を包括的に評価しながら、対面でのエクスペリエンスを再現することができました。
私たちの応募者と採用担当者は、このバーチャルな採用体験を完全に楽しんでいます。私は、業界の仲間の多くが模索し、ビデオとスキルアセスメントを通してバーチャルな評価と面接へと移行しているのを目にしています。
SHLには世界中に従業員がおり、このパンデミック中に浮かび上がってきたテーマの1つが強力な「コミュニティ精神」です。
リーダーとして、私はチームに、新型コロナウィルスに関連する主要施策で人事部門全体をサポートするよう促しました。これら施策のスケジュールはタイトであり、採用チームのサポートがなければ実現できなかったでしょう。
私のチームは、この時期を成長のチャンスととらえ、新しいスキルを学んだりビジネスチームとの関わりを深めたりしています。忙しい時期にはできなかったことです。チームメンバーは様々な社内活動やセッションに参加し、商品やビジネスについてさらに学んでいます。そして、新しいスキルを磨くためにオンラインラーニングのセッションに登録したりもしています。
この困難な時期、業界の仲間を見たり採用担当者のラウンドテーブル会議に参加したりすると、バーチャルのアセスメントと面接ツールの採用が増えていることがわかります。焦点は、職場導入の際のエクスペリエンスの最適化と、多くの会社で採用の一時停止に対応して採用担当者の人数が減らされているという「ニュー・ノーマル」への適応です。
「ニュー・ノーマル」を受け入れ、それを採用プロセスの強化と採用チームとしての我々の役割を再定義する機会として利用すれば、現在の危機に耐え、コロナ後の世界での成功に向けて会社を導くことができる、と私は確信しています。
SHLグループの採用チームリーダーによる投稿でした。読者の皆様の多くは採用に携わっていると思われますので、共感できるところも多いのではないでしょうか。
ところで、最近SHL関連の文献を読んでいるとexperienceという単語がよく目につきます。この記事の中でも、”candidate experience”、”on-boarding experience” が出てきます。「経験」と訳してしまうとなんだか違和感がありカタカナ表記のままにしています。マーケティングの世界でも「ユーザー・エクスペリエンス」や「カスタマー・エクスペリエンス」、よく見かけますね。経験する一連の事実やプロセスだけでなく、その時の気持ちよさとか感情が含まれる言葉のように思いますが、どんな日本語がぴったりくるでしょうか。